2012 Fiscal Year Research-status Report
軟体動物の貝殻微細構造:ナノスケールの新規系統学的形質の探索
Project/Area Number |
24654167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (70313195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 敏博 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50282728)
遠藤 一佳 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80251411)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 貝殻微細構造 |
Research Abstract |
軟体動物の様々な貝殻を用い、貝殻微細構造のミクロな形質を抽出するための実験的研究を行った。サンプルの処理は、樹脂包埋による切断、破断、エッチング、アルカリ処理等を目的の部位により組み合わせて使用した。データ取得の方法は、SEM、顕微ラマン分光法、TEM、EBSDを主に使用した。次に貝殻微細構造の組み合わせをいくつかの代表的なグループで比較検討した。腹足綱のカサガイ類では、おおむね属レベルで特異的な微細構造の組み合わせを持っていることが確かめられた。微細構造の同定にあたっては、アラゴナイトとカルサイトの区別が重要であり、特に稜柱構造の様々なタイプを定義し識別する際にこの情報が必須であることを確認した。二枚貝類では原鰓類の微細構造を比較し、キヌタレガイ科では微細構造の組み合わせが従来の分類体系と整合ではないこと、従来二枚貝では知られていなかった新しい構造である網目状構造を持つことを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい研究手法を実験的に取り入れつつ、データの取得も平行して進めており、一部の成果は論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、サンプルの処理法の開発を目的として実験的研究を行うとともに、サンプルの種数を増やして、より網羅的な研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)