2013 Fiscal Year Research-status Report
珪酸塩メルトの超高圧下複合分光測定から探る「深い」マグマオーシャンのダイナミクス
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24654170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 元彦 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50401542)
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Keywords | 超高圧力実験 |
Research Abstract |
今年度は圧力100GPaを越える超高圧力条件でのその場ラマン散乱分光測定を実施し、従来の既存ラマン散乱分光測定では得ることができなかった、高分解能のラマンバンドの測定に成功し、特に含水系鉱物の高圧力条件下での結合様式についての知見を得ることができた。 また、ブリュアン散乱分光測定装置についても炭酸ガスレーザー加熱装置を配備して高温高圧力条件下での弾性波速度測定を行うことが可能になった。現在のところ予備的実験において約20GPa程度の圧力条件および約2300K程度の温度条件でのブリュアン散乱データの取得に成功した。本装置を用いて現在のところ、SiO2+H2O系、GeO2系、MgGeO3系非晶質試料の測定を終えており、圧力200GPa程度までの超高圧力条件下での弾性波速度測定を実施し、いずれも非常に高品質なブリュアン散乱スペクトルの取得に成功している。 いずれの系の測定においても、以前の我々の実験結果が示唆したような超高圧力条件下での高密度化現象を支持するような結果が得られつつあり、解析中である。また、非晶質試料の測定と並行して、含水鉱物を試料としたラマン散乱およびブリュアン散乱測定同時複合測定についての研究プロジェクトも実施し、現在までに最下部マントルの圧力条件までの測定に成功した。本研究プロジェクトで得られた結果は、沈み込むスラブのダイナミクスを議論するうえで非常に重要な知見を与えるものであり、現在論文としてまとめ投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りシステムの整備を行い、圧力100GPaを越える超高圧力条件でのその場ラマン散乱分光測定を実施し、従来の既存ラマン散乱分光測定では得ることができなかった、高分解能のラマンバンドの測定に成功し、特に含水系鉱物の高圧力条件下での結合様式についての知見を得ることができたため。 また、ブリュアン散乱分光測定装置についても炭酸ガスレーザー加熱装置を配備して高温高圧力条件下での弾性波速度測定を行うことが可能になり、予備的実験において約20GPa程度の圧力条件および約2300K程度の温度条件でのブリュアン散乱データの取得に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに整備したブリュアン散乱分光測定装置およびラマン散乱分光測定装置を複合的に組み合わせて、より高圧力高温条件での実験を行うための改良を進め、ガラスおよび液体における超高圧力条件下での弾性波速度およびラマン散乱データの取得することを進める。また、ラマンバンドのバンド解析についても並行して連携研究者との連絡を密にとり、ラマンデータの解釈をより強固なものとする計画を立てている。
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Research Products
(8 results)