2013 Fiscal Year Annual Research Report
隕石の海洋衝突条件下でのキラル化学に基づく生物有機分子進化
Project/Area Number |
24654176
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関根 利守 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70343829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 善博 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00544107)
小林 敬道 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端プロセスユニット, 主幹研究員 (20260028)
掛川 武 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60250669)
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Keywords | 衝撃実験 / 生命起源物質 / アミノ酸キラル |
Research Abstract |
最近の研究により,約40億年前の地球には既に海が存在し激しい隕石衝突が起っていたと考えられている。そのような環境では地球上の生命起源物質が生成されることを示す実験結果もあり,実際にその頃の地層に含まれる炭素の中には非生物的起源の炭素も見つかっている。生命起源物質ではアミノ酸は基本的な物質で,タンパク質を作るアミノ酸はL体のみである。このことに注目して、衝突でキラル反応がどうなるかを実験的に検討した。衝撃条件はこれまでの水を含む系での実験条件を考慮して衝突速度1 km/s位までを想定した。この条件で水は,衝撃圧縮時から圧力開放過程の中で超臨界ないし亜臨界状態に達する。選ばれたアミノ酸バリンの水溶液を使い,衝撃回収実験で得られた試料の分析からキラル反応が共存する固体物質で影響を受けた。種々の鉱物や化学物質と共存させて検討した結果,バリンの安定性への影響とともに,共存する化学種や酸素フガシチィーの影響が認められた。鏡像体過剰率で見ると、L-体及びD-体からの変換を比較することが出来,特にカルサイトが共存するとD体への変換速度がL体への反応に比べて速いことが明らかになった。このことは隕石衝突では,検討したような実験条件下でのD体の増加は見込めるが,アミノ酸中でのL体へのかたよりは困難なような示唆となる。従って,タンパク質中のL-体アミノ酸の起源を理解するには更なる研究が必要である。得られた成果は、国内及び国際学会で積極的に発表し,関連する最新情報の収集に努めた。今後出来るだけ速やかに研究成果をまとめ,専門誌等に公表したいと考えている。
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Research Products
(19 results)