2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 浩一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50235248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 修輔 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30333628)
富岡 智 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40237110)
高田 昇治 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (50422788)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソノプラズマ / 液中プラズマ / 超音波 / キャビテーションバブル |
Research Abstract |
本研究の目的は,超音波を用いて液体中にプラズマ(ソノプラズマ) を効率的に生成するための方法を開発することである。本計画の提案時に偶然的に見出された方法により何故ソノプラズマが効率的に生成されるのかに関するメカニズムを解明し,大型の装置を設計する際に有用な指針を得る。 平成24年度には,研究計画調書に記載の研究項目のうち,ソノプラズマ生成の最適化およびキャビテーションバブルの可視化を実行した。また,研究計画調書を提出後に,「光マイクロホン」と呼ばれる測定技術を用いれば水中における超音波強度の空間分布を実測できることがわかったので,この方法を本研究室で実現し,実際にソノプラズマ生成装置中の超音波強度分布を測定した。超音波強度の実測が可能であれば,当初計画した円筒対象型ソノプラズマ生成装置の製作は不要と考え,経費を節減した。また,超音波圧力場の境界要素法計算は実測値が得られてから開始することとして,次年度以降の課題とした。 研究の成果として,まず,水中に挿入するパンチングメタル(メッシュ)の位置と容器内に満たす水の水位について,ソノプラズマ生成に最適な条件を実験的に求めた。最適条件においてプラズマ生成空間をシャドウグラフ法で可視化し,高速度カメラを用いてキャビテーションバブルの運動を調べたところ,パンチングメタル付近でバブルの種が形成され,それがメタルから2mm程度離れた位置に移動して定在する様子が観測された。光マイクロホンの測定からは,バブルが定在化する位置において,超音波強度の分布に谷が形成されていることが見出された。以上のことから,パンチングメタル表面はバブルが形成されやすい環境であり,形成されたバブルの種が超音波のポテンシャルによって輸送され,超音波強度の谷に補足されてソノプラズマを生成するというプラズマ生成の描像が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画の提案時に偶然的に見出された方法により何故ソノプラズマが効率的に生成されるのかに関するメカニズムを解明するという目的に対して,初年度の時点で,パンチングメタル表面はバブルが形成されやすい環境であり,形成されたバブルの種が超音波のポテンシャルによって輸送され,超音波強度の谷に補足されてソノプラズマを生成するというというシナリオを得ることができた。今後の検証は必要だが,本計画はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ソノプラズマ生成のメカニズム解明に関する研究を継続するが,それに加え,ソノプラズマの応用創出にも取り組みたい。具体的には,ナノバブル生成装置とソノプラズマ生成装置を組み合わせることにより,ソノケミストリープロセスを著しく効率化する方式を研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
円筒対称型のソノプラズマ生成装置の試作を見送った経費を,ナノバブル生成装置とソノプラズマ生成装置を組み合わせて新規な応用を創出するための研究に充当する。その他に関しては,研究計画調書に記載のとおり,光学部品などの実験消耗品および旅費に支出する。
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