2012 Fiscal Year Research-status Report
ターゲットを均一に利用する無磁場マイクロ波スパッタ製膜
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24654189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70207653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ波 / スパッタ / 表面波 / 均一プラズマ |
Research Abstract |
本研究代表者はこれまでに成功している「低圧力・無磁場・高密度表面波プラズマ源」を利用して従来の有磁場マグネトロンプラズマでは実現できなかった面的に均一なスパッタを試み、従来の概念を打ち破るような新しいスパッタ装置の実現のための指針を得ることを目的としている。これまでの研究により、種々のスパッタ材料を対象とし電磁界シミュレータを用いたスロットアンテナの最適化のシミュレーションをおこなうとともに、装置の制作をおこなった。そして、制作した装置を用いてプラズマを生成し、その均一性をラングミュアプローブおよびCCDカメラを用いた発光分光計測により評価した。まず、本装置の放電維持圧力が1Pa以下となっていることを実証するとともに、プラズマ密度の測定結果から1011cm-3を超える高密度なプラズマ生成が実現できていることを確認した。また、プローブ測定および発光分布測定より、比較的均一なプラズマ生成を確認することができた。さらに、本装置を用いてターゲット背面の電極にRF電力を印加しスパッタ実験を行ったところ、従来と同程度の成膜速度(数Å/s) が得られること、また膜厚分布も比較的均一であることを確認した。さらに、得られた膜の組成をX線光電子分光装置を用いて評価したところ、不純物混入も確認されず、良好なスパッタ成膜がなされていることを確認した。さらにRF電力印加がプラズマ生成に及ぼす影響に関する調査にも着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にあるプラズマ装置の設計、プラズマ生成およびプラズマの基礎パラメータの計測は予定通り実施された。また、得られた結果についても、スパッタ成膜可能な低圧力プラズマ生成の実証、さらには比較的均一な成膜ができることの実証など、当初の目的の重要な部分について実証することができた。さらに、RFバイアス印加が放電維持圧力に及ぼす影響についても実験を行い、RF電力印加が放電維持圧力をさらに低くすることに貢献する、など当初の計画より進んだ有意義な結果も得られており、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果より、本装置のスパッタ成膜への有用性が示されているが、膜厚分布はまだ満足できるまでには至っておらず、本年度は成膜速度の均一化について、マイクロ波導入方法やバイアス電極構造の改良などから検討を進める。さらに、得られた膜の特性についての評価もきわめて重要であり、従来型のスパッタ装置での成膜結果との比較から膜質についても均一かつ良好なものであることをAFMを用いた成膜表面粗さ測定などから実証していきたい。さらに、ターゲット表面から発生する負イオンについても、本装置では低エネルギーかつ均一な負イオン生成となっていることが予想され、質量分析を通して本予想を実証したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度研究費は、主にプラズマのさらなる均一化に向けた装置改造に使用する。また、研究成果の発表のための旅費、論文等の印刷費用等に使用する計画である。
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