2013 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的薬物動態(PBPK)モデルによるプラズマ生体相互作用の解析
Project/Area Number |
24654195
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜口 智志 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60301826)
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Keywords | プラズマ / プラズマ医療 / 生理的薬物動態モデル / PBPKモデル / シミュレーション |
Research Abstract |
生理学的薬物動態(PBPK)モデルとは、生体中の薬物(化学物質)の吸収・分布・代謝・排出(ADME)の0次元モデル(グローバルモデル)であり、生理学の分野で長く活用されている数学モデルである。本研究では、機構のよく知られている血液凝固プロセスに注目し、 プラズマ照射による血液凝固プロセスを記述するPBPK モデルを構築することを目的とする。プラズマ照射された液体(血液)中の反応活性種(ROS/RNS 等)生成のグローバルモデルも構築し、PBPK モデルと合わせてシミュレーションを行う。これにより、プラズマ医療の大きな課題である、低温大気圧プラズマ照射による止血・血管再生・創傷治療の生理学的機構を定量的に解明することが可能となる。本研究では、グローバルモデル・1次元モデル反応拡散方程式シミュレータを用いて、液相中の反応活性種(ROS/RNS 等)の濃度の時間依存性シミュレーションを詳細におこなった。その際、プラズマ照射条件は、気相におけるシミュレーションから得られるが、これは、すでに他の研究機関で研究がおこなわれているため、それらのモデルや過去の文献の結果を用いて、我々の液相シミュレーションへの入力パラメータとした。また、血液凝固系および血管再生プロセスを記述するPBPKモデルの構築では、実際に計算を行うために不足している実験データを明らかにし、今後、本格的なシミュレーションシステム開発のための基盤を確立した。
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