2013 Fiscal Year Annual Research Report
キラル敏感非線形ラマン分光法による溶液中タンパク質の絶対立体配置の高速決定
Project/Area Number |
24655004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加納 英明 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70334240)
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Keywords | キラリティ / ラマン / CARS / 非線形 |
Research Abstract |
物質のキラリティーは、生命の発生、タンパク質の機能発現、サリドマイドの催奇作用など、化学・薬学・生命科学の分野を横断する非常に重要な分子の構造情報であり、これまで様々な方面から研究が行われている。しかしながら、従来の方法では分子の構造情報について間接的な知見しか得ることが出来ない。これに対して、ラマン分光を用いた光学活性測定(ROA)は、振動スペクトルに基づいた分子レベルの構造情報を得ることが出来るため、例えば溶液中におけるタンパク質の絶対立体配置の決定など、生体分子の機能を知る上で重要な知見を与えることができる。申請者は最近、白色レーザーという新しい光源を用いることで、ラマン散乱光を増幅する非線形ラマン分光法を用いた、分子のキラリティ検出に世界で初めて成功した。これにより、非線形ラマン分光法が極めて有効であることを示した。そこで本研究では、本システムの感度を格段に高感度化するため、分光干渉法を取り入れた全く新しいシステム(非線形ラマン分光干渉装置)の構築を行った。この装置開発の過程で、ROAの信号強度が、励起波長の5乗に反比例することが判明した。そこで、これまで開発を進めてきた装置の励起源を1064nm近赤外域のレーザーから532nm可視域のレーザーに変更し、新たに開発を進めた。これにより、ROAの高速測定が実現し、溶液中タンパク質の絶対立体配置を研究する基盤が整った。
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