2012 Fiscal Year Research-status Report
気-液界面における溶解ダイナミクスの反応動力学による解明
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24655013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 浩 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60192522)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気-液界面 |
Research Abstract |
気-液界面での動的過程(エネルギー移動・分子移動・反応)は、不均一系での基礎的かつ重要な多くの現象(例えば、溶解過程、蒸留過程さらには生物の呼吸・細胞膜の分子移動等)と深く関わっている。しかしながら、これら基礎的過程のダイナミクスに関する直接研究はほとんどない。本研究は、蒸気圧の極めて低いイオン液体等を液体フィルム(分子線)として真空中に噴出し、これに量子状態制御した分子線を照射し、内部状態選別微分散乱断面積の時間発展の測定及びその液体流速・温度及びパルス強磁場電場印加効果から「気-液界面でのエネルギー移動・分子移動・反応過程におけるダイナミクス研究という新規研究領域を創出し、液相-気相界面での溶解過程及び反応過程を直接研究解明する」ことを目的として計画した。 この実現に向けて、本年度は、イオン液体を真空中に液体分子線として取り出し、分子線形成時のバルクから界面への状態変換によるイオン液体界面の構造変化の検出、分子衝突による気-液界面でのと反応性の関係エネルギー緩和の様子を反応ダイナミクスの手法により直接解明することを可能とするため、下記の装置開発を行った。 1.真空対応イオン液体ノズル及び循環ポンプ系を設計、制作した。イオン液体分子線の流速を精密に制御可能とすることで、バルクから界面への状態変換によるイオン液体界面の構造変化の検出を可能とした。 2.ダイナミクス研究に必要な分子線源を設置し検出システムを完成させた。また液体フィルム(分子線)の入射角を可変とし、エネルギー移動の内部状態選別微分散乱断面積の測定を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行する上で不可欠な実験装置の製作を既に完成させた。しかしながら、イオン液体が非常に高価であるため、循環系の容量を極力小さくする必要が生じ 、ポンプ仕様に制限が生じた。現在、最適と思われる装置試作を既に終えているが、ポンプ性能の制限から、実際の実験に使用可能なイオン液体の温度・粘度にかなりの制限が生じてしまった。 非常に高価なイオン液体は、試験的に多くの試料を購入し予備実験することが困難である。経費での購入可能量・種類に限界があるため、実験に際して、温度・粘度・価格条件を満たしかつ興味深い試料の選定に慎重を期す必要があり、試料選定にさらなる時間が必要となり、具体的な研究に至っていない
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行する上で不可欠な実験装置の製作を既に完成させたので、今後、実験に際して、温度・粘度・価格条件を満たしかつ興味深い試料の選定を慎重に行い、実際の系に対する研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、試料の調査選定後に購入するイオン液体の購入費用である。
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Research Products
(4 results)