2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織深部での非線形分光計測を目指した超短パルス光波面制御法の開拓
Project/Area Number |
24655017
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 薫 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30397822)
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Keywords | 波面制御 / 超短パルス光 / 液晶空間変調器 / 散乱体 |
Research Abstract |
細胞や生体組織といった複雑で不均一な系では,空間的な構造が多種多様であるため、空間分解能を有した光学計測が必須となる.しかし、このような試料の深部を観測する場合、光が試料を透過する際に多重散乱が起こり、ある特定の場所に光を効率よく集めることが困難となる。本研究課題では、時空間領域での波形制御技術を用いて、光の伝搬を積極的に制御し、光計測に活かすことを目的としている。レーザー光の空間伝播制御を能動的に行うことができれば、多重散乱が起こる系においても特定の場所に光を局在化させることが可能となる。 散乱体透過条件での超短パルス光の波面制御の実験では、まず、2次元液晶空間変調器を数百個程度のセグメントに分ける。分割したセグメントの位相を0から2πまで変化させ、選択した領域の光強度が最大になる位相を決定した。これまで構築してきた波面制御システムでは、数百個の変数の値を最適化しなければならない。このため、遺伝的アルゴリズムを駆使した手法を用いても、最適化に30分から1時間程度の時間が必要であった。波面制御を行う過程での律速段階を調べた結果、制御ソフトウェアの計算速度に問題があることがわかった。本研究では、計算速度の高速化を行うため、汎用グラフィックボードを利用したプログラミング環境であるCUDAとOpenGLを併用した制御プログラムの開発を試みた。予備的な実験結果から、プログラムの実行速度の大幅な向上が可能であることがわかった。現在、超短パルス光の波面制御法に適用することを計画している。
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Research Products
(1 results)