2013 Fiscal Year Annual Research Report
特異なイオン液体を反応場とした金属錯体による窒素の還元
Project/Area Number |
24655048
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 秀樹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50209441)
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Keywords | 空中窒素固定 / イオン液体 / 電気化学的還元 / 錯体触媒 / アンモニア合成 / 電流効率 |
Research Abstract |
窒素のアンモニアへの変換は非常に難しく、ハーバーボッシュ法に勝る方法は未だ開発されていない。しかもこの方法は高温高圧下での反応で環境への負荷が極めて大きい。しかし、豆科植物はニトロゲナーゼという金属酵素を用いて、常温常圧下で窒素を固定化しアンモニアへの変換を行っている。我々はこのようなマイルドな条件下でのアンモニアの合成法を開拓すべく、イオン液体中での電気化学的窒素固定化の開拓に取り組んだ.触媒としてはチタノセンのような古くから窒素固定化に成功している錯体を用い、これをイオン液体としての4級アンモニウム系イオン液体中で電気化学的に還元した。水素源は水からのプロトンを用い、水とイオン液体の間にナフィオンを挟み行った。アンモニアの生成は硫酸中に誘導し硫酸アンモニウムに変換することにより行った。アンモニアの窒素源が空中窒素であることの証明のため、これらの反応は窒素雰囲気下で行ったが、比較対象のためアルゴン下でも行った。その結果、電流効率が最大11%と、これまで報告されている有機溶媒中での電流効率0.28%に比して数十倍という高い効率で得られることが分かった。当初、イオン液体として使ったアニオン中の窒素が分解してアンモニアに変換される結果も得られたが、このアニオン部に窒素を含まないアニオンを用いることによって、この反応が空中窒素に由来するものであることを明らかにした。これらの反応が常温常圧下で、しかも空中の窒素と水中のプロトンから生成されたという事実から、将来的にも非常に期待できる成果が得られた。
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[Journal Article] Dichlorido[6,8,22,24,34,36-hexamethyl-33,35-diaza- 3,11,19,27-tetraazoniapenta- cyclo[27.3.1.15,9.113,17.121,25]hexatriaconta-(33),5,7,9(34),13,15,17(35),21,23,25(36),29,31-dodecaene-κ6N3,N11,N19,N27,N33,N35]dipalladium(II) bis(perchlorate) N,N -dimethylformamide disolvate methanol disolvate2013
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[Journal Article] Enantioselective monofluoromethylation of aldehydes with 2-fluoro-1,3-benzodithiole- 1,1,3,3-tetraoxide catalyzed by a bifunctional cinchona alkaloid-derived thiourea-titanium complex2013
Author(s)
Hai Ma, Kohei Matsuzaki, Yu-Dong Yang, Etsuko Tokunaga, Daisuke Nakane, Tomohiro Ozawa, Hideki Masuda, and Norio Shibata
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Journal Title
Chem. Commun.
Volume: 49
Pages: 11206-11208
Peer Reviewed
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