2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二重層膜を基盤とする階層的金属錯体集積空間の構築と構造解析
Project/Area Number |
24655052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大場 正昭 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00284480)
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Keywords | リポソーム / 親脂質性金属錯体 / 配位高分子 |
Research Abstract |
本研究では、柔軟かつ異方的な空間を提供する脂質二重層膜、特にリポソームに多様な機能を示す金属錯体を合理的に組み込んだ「階層的金属錯体集積空間」の構築と構造の評価を推進する。脂質二重層膜で形成される直径1μm サイズのリポソームの外表面、疎水性の膜内部、親水性の内表面及び内水相に異なる反応活性な金属錯体を選択的に組み込む新手法を開発して、界面反応場として新しい高機能な化学反応場の創出につなげる。 リポソームを基盤として階層的金属錯体集積空間を制御形成するために、① 親脂質性配位子および金属錯体の合成、② 内水相への金属錯体の導入、③ 膜外表面への金属錯体の導入および ④ 階層的金属錯体集積体の構築と構造評価を行った。 ① では、配位子にリン脂質部位を導入した親脂質性 Zn(II)ポルフィリン錯体や salen 型錯体の合成に成功した。 ② では、配位子を内包したリポソームに抗生物質による膜チャネルを形成し、その溶液に金属イオンを加えることで、内水相におけるプルシアンブルー (PB) および Tb 錯体の直接合成に成功した。 ③ では、リポソームの組成を調整してリポソーム表面に光捕集分子としてフルオロセインを集積させたラフトドメインを構築した。さらに、膜内部に ① で合成した親脂質性 Znポルフィリン錯体を組み込むことで、フルオロセインから Znポルフィリンへのエネルギー移動に成功した。ラフトの形成ならびに Zn ポルフィリンの組み込みは、共焦点レーザー顕微鏡観察における発光から確認した。 ④ では、PB を内包したリポソームの外表面へ、親脂質性Zn(II)ポルフィリン錯体を導入した。TEM および共焦点レーザー顕微鏡観察より、内水相に PB、外表面に Znポルフィリン錯体を部位特異的な組み込んだ構造の構築を確認した。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Guest Responsivity of a Two-Dimensional Coordination Polymer Incorporating a Cholesterol-Based Co-Ligand2013
Author(s)
K. Kajitani, T. Koshiyama, A. Hori, R. Ohtani, A. Mishima, K. Torikai, M. Ebine, T. Oishi, M. Takata, S. Kitagawa, M. Ohba
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Journal Title
Dalton Trans.
Volume: 42
Pages: 15893-15897
DOI
Peer Reviewed
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