2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24655054
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡慶次 学 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60311437)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 計測化学 / 分析化学 |
Research Abstract |
平成24年度は、防振台上に光学系(半導体レーザー、ローションプリズム、集光レンズ、フォトダイオード等)を配置し、蛍光偏光用測定システムを構築した。構築した測定システムの性能を評価するために、モデル試料(ローダミンBのグリセリン溶液、フルオレセインのエチレングリコール溶液)を用いて蛍光偏光測定を行った。さらに、本研究にて購入した蛍光偏光測定装置を用いて、モデル試料の測定を行い、それぞれの測定結果の比較検討を行った。構築した蛍光偏光用測定システムを用いて、ローダミンBおよびフルオレセインの蛍光信号を測定することには成功したが、構築したシステムで測定された蛍光偏光度の濃度依存性が蛍光偏光測定装置とは異なる結果となった。詳細の検討から、使用したローションプリズムの光学特性に問題があることが分かった。現在、光学特性の異なるローションプリズムを用いて、光学系の性能評価を行っている。 また、ローションプリズムを用いる上記システムとは異なる小型化可能な蛍光偏光測定システムについても検討を行った。このシステムは、励起光の偏光面を特殊な光学系で変調するもので、上記システムと同様に安価な小型蛍光偏光デバイスになるものと期待される。構築したシステムの性能を評価するために、フルオレセインのエチレングリコール溶液の蛍光偏光度の濃度依存性を測定した。測定結果より、蛍光偏光測定装置と同じ結果を得ることができることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に記載した内容は全て行うことができた。また、当初計画には無かった内容についても検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の前半(4月~7月)は、前年度に引き続き光学系の評価を行う。その後、取得したデータを基に光ファイバー型蛍光偏光測定デバイスの概念設計・設計・試作を行う。概念設計・設計に関しては、光学シミュレーションに基づいて行う。デバイスの試作に関しては、取得したデータに基づいて随時変更を行う。試作したデバイスの評価・改良を行い、最適化を進める。 また、前年度に検討した変調光学系を用いた測定システムの性能評価を行う。得られた成果に基づき、変調型蛍光偏光測定デバイスの概念設計・設計・試作を行う。試作したデバイスの評価・改良・最適化を行う。 作製したデバイスを用いて、血中の治療薬物濃度の測定に応用する。具体的には、気管支喘息の治療薬であるテオフィリンの血中の濃度の測定を行う。従来法による測定結果と本研究で開発する小型デバイスによる測定結果を比較することで、デバイスの性能評価および実用化の可能性を検討する。また、開発するデバイスとマイクロ化学チップを組み合わせて、マイクロ化学チップ内でテオフィリンの濃度測定を測定することで、デバイスの試料の微量化に対する適応性評価を行う。これらの結果に基づいて、デバイスの改良・最適化を行う。最終的には、実用化を目指した小型蛍光偏光測定装置の概念設計まで検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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