2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655068
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長岡 勉 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00172510)
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Keywords | 細菌 / 分子鋳型 / 導電性ポリマ / センサ / 散乱光 |
Research Abstract |
この研究では,細菌/導電性ポリマー複合体を作製し,細菌と外部電極と間で良好な電気的接合の形成を試みる。これにより,細菌の物性の検討や細菌のリアルタイムセンシング技術への発展を目指す。申請者らは最近,導電性ポリマが細菌を極めて容易に取り込むことを見いだした。この研究では,このポリマ膜を利用して,細菌/導電性ポリマ複合体による電気的接合子を作製し,細菌内の情報を電気的に読み取り,さらに,電気刺激により細菌の機能を制御する技術の確立を目指す。今年度の研究実績を以下に示す。 1.細菌/ポリピロール複合体を用いた計測法の検討 前年度の検討を基に,作製した複合体が実際に機能するか検討した。まず,細菌をドープしたポリーピロール膜およびPEDOT膜を作製した。この菌体デバイスに対して外部刺激(栄養源)を与え起電力を調査した。その結果グルコース添加時に電位応答が得られることがわかった。このような変化は細菌無添加時には生じなかったことから,細菌の活動に起因すると考えられた。 2.細菌の直接電流観測 以上の結果から,この細菌デバイスは電気化学的に機能することが判明したので,このデバイスを用いて細菌の関与するボルタンメトリ観測を行った。細菌の生存率をデバイス作製前後また,観測後において確認したところ,どの場合でも90%前後の高い生存率があっため,酸化還元反応に伴う細菌の損傷は殆ど無いことが判明した。この結果にもとづき,栄養源(グルーコース)に対する細菌の電流応答を観測したところ,酸素還元電流の減少が観測され,電流観測によって細菌の活動度が観測できることがわかった。
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