2013 Fiscal Year Annual Research Report
非標識バイオセンシングに向けた高触媒活性な窒素ドープグラフェン様薄膜電極開発
Project/Area Number |
24655071
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
丹羽 修 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 総括研究主幹 (70392644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (80533190)
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Keywords | 電気化学 / 炭素材料 / 生体分子検出 / 酸素還元 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
前年度窒素雰囲気下で電子サイクロトロン共鳴(ECR)スパッタ法で形成した窒素ドープカーボン薄膜の構造と電気化学特性の関係を把握した。今年度は、最適化した窒素濃度で、生体計測に重要な酸化酵素反応の生成物である過酸化水素や核酸分子の検出を行った。過酸化水素は、前年度に報告したように銀塩化銀参照電極に対して-0.6V以下の電位で還元できる。過酸化水素の濃度と還元電流の関係を調べたところ、0.2mMから17mMの範囲で直線性が得られ、窒素を含まない炭素薄膜電極に対して約5倍の高い感度が得られた。次に、生体分子の例として、DNAのプリン塩基を含むグアノシンとアデノシンを矩形波ボルタンメトリ法で測定した。9%の窒素原子を含むスパッタカーボン膜を電極に用いると、ピュアなスパッタカーボン膜に比較して酸化ピークの電位は、低電位側にシフトし感度も2.5倍程度向上した。以上のように窒素をある程度含むスパッタカーボン膜では、電気化学活性が大きく向上し、生体分子の検出に有効であることが確認された。更に詳細に窒素濃度を変化させて特性の向上を行うため、0%以上9%の以下の窒素濃度領域について、スパッタカーボン膜電極をECRスパッタ装置で作製し電気化学評価を行った。しかしながら、その領域では、9%濃度のときに比較して余り大きな感度向上は観測されなかった。更にスパッタ法以外の有機物の熱処理によるカーボン薄膜についても酸素特性や過酸化水素の応答により性能評価を行った。
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Research Products
(8 results)