2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ芳香族骨格をもつ大環状化合物による新規キラリティーの設計
Project/Area Number |
24655083
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 敦紀 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90210111)
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Keywords | ヘテロビアリール / 軸性不斉 / CHホモカップリング / 閉環メタセシス / ルテニウム触媒 / X線結晶構造解析 / キラルHPLC / 光学分割 |
Research Abstract |
平成24年度の研究において達成された,アゾール類としてのビスベンゾイミダゾールより得られる軸性不斉化合物に加え,本年度では,骨格をヘテロビアリールであるビチオフェンへと展開させ,閉環メタセシス反応を利用する軸性不斉大環状ビチオフェンの合成を検討した。まず,原料となるビチオフェン誘導体,とくにチオフェン環3位に末端オレフィンを有する置換基を導入する効率的な合成法確立を検討した。大別して3種類の合成法を検討した結果,3-メチルチオフェンを出発原料として用いる方法が最適な方法であることを明らかとした。続いて,ホモカップリングによるビチオフェン合成,閉環メタセシス反応による軸性不斉の発現を検討し,ビチオフェンにおいてもビスアゾールと同様に,軸性不斉を有する大環状化合物が合成でき,X線結晶構造解析により分子構造を確定し,さらにはキラルカラムを有するHPLC分析により両エナンチオマーの分離を確認した。 また,ビスアゾールについても前年度のベンゾイミダゾールに加え,無置換イミダゾール,イミダゾール環に二つおよび四つの臭素原子が置換した誘導体においても,閉環メタセシス反応による大環状化合物の生成,軸性不斉の発現を明らかにすることができた。
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