2014 Fiscal Year Annual Research Report
アスベストの無害化・有効利用法:シリコーンポリマーへの構造制御変換法の開発
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24655107
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
幅上 茂樹 中部大学, 工学部, 教授 (30252266)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シリコーンポリマー / シラノール基 / シリカ / 機能性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の2点について検討を行った。(1)ポリウレタンへの添加によるポリウレタン膜の特性制御の可能性、(2)反応性シラノール残基を有する新規シリコーンポリマーの構築と接着剤への添加による機能制御 (1)アスベストから無害化して得られるシリコーンポリマーは、ラダー型に近い主鎖骨格を有する可能性が示されている。したがって、添加剤・フィラーとしての特性の発揮等が期待される。そこで、ポリウレタンにシリコーンポリマーを添加して、ポリウレタン膜の機械特性制御の可能性について検討を行った。これに先立ち、種々のポリマーのポリウレタン膜への添加効果を観察した結果、エンジニアリングプラスチックの一つとして知られるポリフェニレンオキシドの構造をうまく設計することにより、機械特性制御が可能であることを見出した。そこで、この手法を新規なシリコーンポリマーに応用し検討を行ったところ、ある程度制御が可能であることが明らかとなったが、より高度な機能の発現には、ポリウレタン側の設計も必要であると結論付けられ、この点について現在さらに検討を行っている。 (2)シラノール残基を有するという高い反応性を活かしたポリマー設計・制御による新しいシリコーンポリマーの応用開発について検討を行なった。具体的には、接着剤における機能性接着付与剤としての効果について検討した。モデル接着剤に対してシラノール残基を有するシリコーンポリマーを添加して、3次元の架橋形成による硬化・接着機能の発現について実験を行った。その結果、無添加あるいは個体のシリカゲルを添加した場合に比べ、非常に高い硬化特性を示すことが確認された。今後さらにシラノール残基の残存量と、導入するシリル化剤の構造をうまく設計することにより、より効果的な機能性材料しての応用が可能になるものと考えられる。
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