2012 Fiscal Year Research-status Report
ソフトなキラル高分子フィルム型トランスデューサとその円筒モータへの応用
Project/Area Number |
24655108
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田實 佳郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (00282236)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 表面弾性波 |
Research Abstract |
延伸倍率を変えて作成した様々な値と配向度を持つ一軸延伸L型ポリ乳酸(PLLA)フィルムを実験用試料とした.フィルムの両表面に金を蒸着し電極とした.この電極が付与されたPLLAフィルムの縦波共振周波数を,インピーダンスアナライザを用い行った.次に,インピーダンスアナライザで求めたこの共振周波数を含む帯域の交流電圧をPLLAフィルムに印加し,表面弾性波を発生させた.これを直接レーザドップラCCDカメラで,二次元測定した.このとき,200Vpp200mAの安定した交流電源を用い,計測可能な変位を持つ表面弾性波を生成することに成功した.実験解析を進めた結果 再現性に及ぼす因子としては,PLLA試料の配向度,圧電率では,9pC/Nの圧電率を持つ場合,配向度を優先すべきであることが分かった.その結果,選定したフィルムを円筒にし,側線を熱融着した.これは膜厚30µmの円筒モータ試作を念頭においており,表面弾性波を発生するフィルム型トランスデューサとなる.円筒モータでは,この円周上の上端面に,一定波長で,長時間に亘り発生せねばならない.そのために上端面の高次構造を原子間力顕微鏡により,観察し,現在結果を整理している.更にこの試料を用い,縦波共振の位相反転の程度とそれが発現する周波数域の測定を行った.しかしながらまだ十分な再現性は得られておらず,PLLAフィルム型トランスデューサの共振点とその近傍の挙動を正確に測定する実験を継続中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であるフィルム型トランスデューサの具現化を達成した.すなわち,当初計画に沿って 1)表面弾性波用試料の作成(配向度と圧電性) 2)表面弾性波を発生するフィルム型トランスデューサの開発 をすすめた.その結果,概ね再現性の面でいまだ難点は幾分残るものの成果を得ている.しかしながら,縦波共振の位相反転の程度とそれが発現する周波数域の断定は完全には終了していない.その一部の積み残しがあるが若干であるため結果,「おおむね順調に進展している.」と判定した.
|
Strategy for Future Research Activity |
最適化された円筒型PLLAフィルムトランスデューサ(円筒モータ)の上端にプラスチックボールを置く.このプラスチックボールを,回転数一定で長時間に亘り,回転させることを追及する.更に,プラスチックボールの回転方向を,印加交流電圧の周波数を共振点より低周波(または高周波)に設定することで,時計方向(または反時計方向)に制御することを試みる. また,最終年度として,フィルム型トランスデューサを安定的にThis is indeed a very interesting topic.するための解析結果を精査して,理論的な指針を確立する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試作機作成のためにおもに以下の部品等を購入する 「材料薬品」モデル実験を行う材料が必要である. 「電気回路部品」結合する回路作成用に,抵抗やコンデンサ等の電気回路部品が必要である. 「電子回路部品」容量回路の帰還率を支配するOPアンプを必要とする. なお,繰越金(117,772円)が生じているが,回転数一定で長時間に亘り駆動するには実験の結果,計算以上に瞬時電流が必要であることが判明した.より効果的な回路設計とするため再設計を行い,一時的に回路製作を中断したためである.現在目処もたち,再開の準備をしているところである.
|
Research Products
(4 results)