2013 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトなキラル高分子フィルム型トランスデューサとその円筒モータへの応用
Project/Area Number |
24655108
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田實 佳郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (00282236)
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Keywords | 圧電性 / フィルム / 高分子 / キラル |
Research Abstract |
本課題において,フィルム型トランスデューサを円筒にし,側線を熱融着した.しかしながら,融着された側線の高次構造が影響を与え,端面での表面弾性波の発生が安定しなかった.そこで,熱融着の温度を管理し,その影響を原子間力顕微鏡などにより,観察し,できるだけガラス転移点と結晶化温度範囲で圧着することを試みた.膜厚0.1mmの圧電性L型ポリ乳酸フィルムを用い,表面弾性波を発生するフィルム型トランスデューサを試行錯誤を繰り返しながら,具現化した.特に,端面に表面弾性波を発生させる技術を確立したことは特筆すべきことである.試作した円筒モータの特長は回転方向の反転が機械的な機構なしに行えることである.これを実現するために,縦波共振が発現する周波数域の把握のために,PLLAフィルム型トランスデューサの共振点とその近傍の挙動を正確に測定した.その結果をもとに,当初計画のように円筒型PLLAフィルムトランスデューサを円筒モータに見立てた実験を行った.具体的には,この円筒型PLLAフィルムトランスデューサの上端にプラスチックボールを置き回転をさせることに挑戦した.その結果このプラスチックボールを,回転数一定で長時間に亘り,回転させることに成功した.更に,プラスチックボールの回転方向を,印加交流電圧の周波数を共振点より低周波に設定することで,時計方向の反転制御にも成功した.しかしながら,計画書に記載したもう一つの課題であるリニア型ステージの実現に挑戦したが,用いる二つのPLLAフィルム型トランスデューサに発生する表面弾性波の波長を正確に揃えることができず,この挑戦については年度内に達成することはできなかった.
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] 高分子の圧電性2013
Author(s)
潮見勇樹・深井真志・永田高博・名切卓男・田實佳郎
Organizer
第62回高分子学会年次大会
Place of Presentation
京都国際会館(京都)
Year and Date
20130528-20130530
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