2013 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶コンタクトプリンティングによる分子パターニング法の開発
Project/Area Number |
24655111
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐田 和己 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80225911)
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Keywords | 結晶工学 / 走査型トンネル顕微鏡 / 金基板 / 有機結晶 / 分子パターン描画 / ジスルフィド / 分子構造 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
有機結晶スタンプとして、金線の先をバーナーでアニールすることにより(111)面を表出させ、これを基板として用い、有機結晶は乳棒とメノウ鉢により粉砕し、粉末状にしたものを振りかけることにより金基板に接触させた。数時間静置後アルゴンガスの噴射により過剰の結晶を除き分子膜作製を試みた。分子膜が形成したことを確認するために基板表面をSTM観察で評価した。また、ジスルフィド基を持つ結晶については、金基板と分子膜の化学結合を確認するためにCV測定した。分子膜を形成した金(111)カット面を作用極として用い、またPtを対極、Ag/AgClを参照極とした。 STM観察の結果、金基板と強い相互作用を持つジスルフィド基を持つ結晶はすべて、分子膜を形成することが明らかになった。これは金-チオール結合が結晶内の分子間相互作用と比較して大きいため、分子膜を形成したと示唆された。多くの場合は溶液からのSAM形成と同じような凹凸パターンを形成したが,サイズや密度などが大きく異なり、固体接触の効果が現れたものと思われる、特に溶液からのSAM形成と表面構造が異なるペニシラミンジスルフィドやL-シスチンでは、CV 測定においても異なる電位にピークを示した。これはこれらの分子の分子間相互作用(基板に対して平行方向の水素結合)が比較的強いため、結晶内の分子配列を反映した分子膜が形成したと推察できる。作製した分子膜の凹凸を結晶の(100)面と比較すると、分子の間隔と類似していたことからも結晶内の分子配列を反映した分子膜であることが示唆された。これにより、結晶スタンプ法を用いることで、SAMとは異なる配列の分子膜を形成可能であると示した。
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Research Products
(4 results)