2013 Fiscal Year Annual Research Report
前例なき三次元構造形態を有するディスコティック液晶の相挙動の徹底解明
Project/Area Number |
24655118
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福島 孝典 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70281970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 良晃 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (40525573)
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Keywords | 液晶 / キュービック相 / トリフェニレン / イミダゾリウムイオン / 自己集合 |
Research Abstract |
本研究は、イミダゾリウムイオンを側鎖末端に有する液晶性トリフェニレン誘導体が発現する、双連続Ia3dキュービック相の詳細な構造解明を目的として実施した。平成25年度は24年度に引き続き、新規トリフェニレン分子の開発および液晶構造解析について詳細な検討を行った。サンプリング法の工夫により、モノドメイン液晶をガラスキャピラリー先端に担持することに成功した。これにより、単結晶X線回折装置を用いた液晶の精密構造解析が可能になった。モノドメイン液晶から得られたX線反射データを解析して得られたIa3dキュービック相の描像は、これまで想定されてきたジャイロイド構造とは大きく異なっていた。具体的には、ジャイロイド構造とともに、リング構造から構成される巨大な格子構造が形成されていることを明らかにした。さらに、イミダゾリウムイオン部位の対アニオンを変えた誘導体を用いて電子密度分布解析を行ったところ、対アニオンのサイズを大きくすることで、高電子密度部位であるジャイロイドとリング構造がともに太くなることを見出した。次に、このディスコティック液晶分子の固体NMR測定およびレオロジー測定によるIa3dキュービック相の動的性質について検討した。この観測結果より、このトリフェニレン誘導体が形成するキュービック相が、結晶のような位置と配向の規則性をもつ一方、液体のような流動性も併せ持つという、極めてユニークな特性を明らかにした。以上、前例なき双連続Ia3dキュービック相の構造解明へ向けて、(1)液晶のモノドメイン化、(2)X線反射データの収集および精密構造解析、(3)液晶の機械的特性評価のいずれにおいても、研究を大幅に進展させることができた。
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Research Products
(5 results)