2013 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウムナノ粒子の構造-水素吸蔵特性相関に関する研究
Project/Area Number |
24655121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺西 利治 京都大学, 化学研究所, 教授 (50262598)
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Keywords | コロイド・超微粒子 / 水素吸蔵 / パラジウム / 結晶構造 / 結晶面 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子は、水素吸蔵量、水素の吸蔵/放出温度の低減、生成水素化物の安定性等の観点から、次世代水素吸蔵材料として有望である。申請者は、単結晶正六面体Pdナノ粒子および多重双晶正二十面体Pdナノ粒子の水素吸蔵特性研究において、極めて特異な構造特異水素吸蔵特性を発見している。本研究では、単結晶正六面体、単結晶正八面体、多重双晶正二十面体、多結晶球状Pdナノ粒子の水素吸蔵特性を検討し、ナノ粒子の結晶性・露出結晶面・形状・粒径が水素吸蔵特性に及ぼす影響を明らかにする。また、in-situ中性子回折測定により、各Pdナノ粒子中における水素-水素相関を導出し、吸蔵機構を解明する。 本年度は、Pd黒、3種類の単結晶正六面体Pdナノ粒子(12、20、40 nm)ならびに同程度の粒径の単結晶正八面体Pdナノ粒子の水素吸蔵特性の比較検討を行った。単結晶正八面体Pdナノ粒子は、単結晶正六面体Pdナノ粒子の{100}面を選択的に成長させることにより合成した。水素圧力組成等温線測定の結果、正八面体Pdナノ粒子の水素吸蔵量はPd黒と同等であり、正六面体Pdナノ粒子ほどユニークな水素吸蔵/放出挙動は示さなかった。正六面体Pdナノ粒子における水素化物生成のエントロピー変化およびエンタルビー変化を検討したところ、粒径の減少に伴い水素化物相を形成しやすく、水素を放出しにくいことが分かった。また、正六面体Pdナノ粒子の粒径減少に伴いPd–Pd距離に分布が見られるようになり(SPring-8のPDF解析)、水素吸蔵プロセスの誘導期や水素吸蔵/放出挙動の差異に影響を及ぼしていると考えられる。
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Research Products
(3 results)