2013 Fiscal Year Annual Research Report
オガクズから高温炭化したナノ炭素材料を正極とする1次ー2次空気電池の開拓
Project/Area Number |
24655141
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
安東 孝止 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60263480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 友紀 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20294340)
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Keywords | 空気1次電池 / 空気2次電池 / 炭素極2次電池 |
Research Abstract |
本研究は、循環再生資源の特徴を持つ電気伝導性活性炭(白炭:おが屑やヤシガラから高温炭化工程で製造)を正極とする空気2次電池の開発を主目標として2年間の研究を推進した。初年度(H24)は白炭の電池正極への応用を可能とするための基礎技術(特に水素還元処理および水蒸気賦活処理)を確立し、亜鉛を負極とする空気電池の2次電池動作に関する基礎実験を進めた。空気電池構成(空気中の酸素を自然供給)のため電池を密封化しない条件でZn(負極)-白炭((酸素正極)の基礎的な充―放電実験を行い、以下の基本性能を確認した:電池電圧(定常充電)=1.5-1.6V, 放電容量(100mA)=10-12 Ah/kg, 充―放電容量効率 > 83% V. しかし、この空気2次電池の大きな課題は酸素供給のため非密封型であり、電解液の蒸発・劣化によりサイクル寿命が10回程度しか安定動作ができないことであった。H25年度(最終年度)は、サイクル寿命の改善を目標に、電池構造の最適化(密封化、高純度Zn負極、セラミックセパレータなど)、水性電解液の最適化(NH4CL+KOH:PH=9-10)を進め、空気2次電池の基礎特性とサイクル寿命の改善を行った。空気電池の密封化で、充電後の自己放電率(24時間)が20%/dayから15%/dayへ改善し、サイクル寿命(回数)も50回以上が可能な段階にきた。空気2次電池を密封条件で動作させることは従来の空気電池ではありえない条件(外部からの酸素供給を遮断)であるが、本研究で使用する活性炭正極が、放電時にはOH-イオンを放出し、充電過程ではOH-を(再)吸着する特殊な機能を有するために始めて可能となった。この酸素の自己補給機能は今後の空気電池の2次電池化の実用化においてキーとなる基盤技術として期待される。
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