2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 佑樹 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70570604)
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Keywords | ペプチド / 人工酵素 / 試験管内分子進化 |
Research Abstract |
本研究では、純科学的・工学的、両方の観点から高い意義を持つ、自己切断型の新規人工ペプチダーゼ(プロテアーゼ)の創成を目指している。これまでに、人工の新規プロテアーゼドメインをde novoに作成する試みは多くなされているものの、成功した事例は全く存在しない。本研究では、ランダムペプチドライブラリーから自己切断活性を持つ配列を試験管内で人工進化させる、潜在的に切断さ れやすいことが期待されるCys-Pro配列を活用する、といった独自の工夫を施すことで、新規人工触媒ドメインの発見が可能であると考えた。 本研究で創成を目指すペプチダーゼは、以下の特筆すべき特色を併せ持つ。(1)ペプチド切断活性に必要なドメインの全長が、20-40残基程度の「超小型人工ペプチダーゼ」である、(2)自身のN末端側を切断するcis活性型である、(3)触媒ドメインのN末端に位置するCys-Proの前で正確に切断され、切断産物の末端構造が均一である、(4)特定の外部刺激(pH変化・金属イオンの添加)により、その切断活性のON/OFFを制御できる。本研究が完成すれば、「天然由来の配列に頼らず、人工のペプチダーゼをde novoに創成できうるか?」、「安定なアミド結合の切断を、どれだけ小さなドメインで行うことができるか?」といった命題に知見を与えられることから、学術的な意義は非常に高い。また、工学的な応用の面からは、組換えタンパク質の精製への応用が期待される。 当該年度においては、前年度に最適化した試験管内分子進化の系を用いて、20-40残基程度の短いランダムペプチドライブラリーの中から目的のペプチド切断活性を有する配列の探索実験を行った。最終的に22種類の超小型人工ペプチダーゼ候補の同定に成功した。
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Research Products
(5 results)