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2012 Fiscal Year Research-status Report

mRNAの位置選択的塩基変換法の開発

Research Project

Project/Area Number 24655152
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

張 功幸  大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50347423)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords核酸化学
Research Abstract

細胞中のmRNAの“望みの位置の核酸塩基”を“望みの核酸塩基”に変換できる技術は、今後の生命科学研究において有意義である。この技術を実現するために、本研究では、新規な機能性核酸として亜硫酸(あるいはスルフィン酸)結合型オリゴヌクレオチドを設計・合成し、一本鎖RNAの望みの位置のシトシン塩基をウラシル塩基へと変換(C→U変異)する手法を開発することを目的とする。研究初年度にあたる平成24年度は、以下の成果を得た。
当初計画に従って、Hoogsteen水素結合を介したパラレル二重鎖に対して中性条件下亜硫酸水素ナトリウムや市販の各種スルフィン酸ナトリウム処理を行った。その結果、標的RNA(RNAの安定化アナログである2’-メトキシ体を利用)のシトシン塩基に対して付加反応が進行することを確認した。次いで、スルフィン酸部をコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドの合成を行った。リンカーとなる部分の長さの異なる複数のアジドスルフィン酸アナログ(スルフィン酸部は保護したもの)とアセチレン部をもつ複数のオリゴヌクレオチドをそれぞれ合成した後、クリックケミストリーによりそれらのコンジュゲート化を行い、目的のオリゴヌクレオチドの合成を達成した。また、合成したオリゴヌクレオチドのスルフィン酸部の保護基は容易に脱保護できることも確認した。最後に、合成したスルフィン酸部を持つオリゴヌクレオチドと一本鎖RNA(2’-メトキシRNA)の位置選択的C→U変異反応の評価を開始した。現在、HPLCを用いた評価系を確立したので、今後詳細な検討を行っていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

化合物の安定性の問題で、保護の検討等を要したが、目的とするコンジュゲート体を複数合成することに合成に成功した。さらに、一本鎖RNAの位置選択的C→U変異反応の評価系を確立することができた。

Strategy for Future Research Activity

昨年度に引き続いて、合成したスルフィン酸コンジュゲート核酸を用いた一本鎖RNAの位置選択的C→U変異反応を検討する。リンカー長等、反応が効率よく進行するための構造最適化を行う。昨年度の知見から、スルフィン酸コンジュゲート核酸のシトシン塩基への反応は付加反応で止まることが考えられる(計画当初の推測通り)。従って、上記構造最適化後、本反応系を触媒システムへと展開するためのスルフィン酸部分の構造をチューニングする(具体的には、塩基性ユニットの導入を計画している)。
上記検討により、望みの機能を有するコンジュゲート核酸が開発できれば、最終目標である培養細胞を用いて、その有用性を検証する。具体的には、タンパク質を過剰発現させた系を用いて、C→U変換により終止コドンとなる部位をターゲットとし、亜硫酸あるいはスルフィン酸部を持たないオリゴヌクレオチドをコントロールとして用いる。その評価は、ウエスタンブロット解析により行い、終止コドン出現により得られるサイズのタンパク質およびフルサイズのタンパク質の発現を比較、確認する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費として91万円、その他として20万円の支出を計画している。その内訳は以下のとおりである。
物品費として、スルフィン酸コンジュゲート核酸合成のための薬品類(試薬、溶媒、精製用シリカゲル)、HPLC精製カラム等の購入を計画している。(50万円以上の高額物品の購入計画はありません。)
本研究遂行を効率化するために、未修飾オリゴ核酸(RNA等)は受託合成を行うことを計画している(その他経費として計上される)。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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