2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655154
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | RNA / ループ / ヘアピン / 小分子 |
Research Abstract |
本提案研究では、このDNAに関するループ間相互作用に関する研究を突破口として、RNAループ間相互作用を小分子で実現する事に挑戦し、RNA高次構造形成に必須なループ領域間における相互作用を、低分子を介して実現する。具体的には同じ配列を持つループ間および異なる配列のループ間を結びつける低分子の創製とそれによるRNA二次構造制御のコンセプトを実証した。 (1) 分子間ループ-ループ相互作用の実証 非変成ポリアクリルアミド電気泳動(native PAGE)を用いて、小分子の存在の有無によりヘアピンRNAのバンドシフトを観測する。ループ間相互作用では、分子サイズと電荷が一挙に大きく変化するために、native PAGEでバンドが大きくシフト(遅く泳動される)が観測された。 (2) 小分子の構造との相関 小分子の構造とループ間相互作用に関連が有る事を確認するために、構造を微細に変化させた対照化合物を用いて、native PAGE解析を行った。 (3) ループ配列との相関 小分子が結合すると予想しているループ配列の変異体RNAを用いて、小分子がループ配列に結合している事、また、配列特異性が認められる事をnative PAGE解析により実証した。 (4) 二次構造変化の解析 小分子が結合することにより、RNAの二次構造が変化しているかどうかを確認するために、分子内に二つのヘアピンループ配列を持つRNAコンストラクトを調整した。二つのヘアピン構造はFRET(Förster Resonance Energy Transfer)ペアとなるドナー蛍光分子とアクセプター蛍光分子により標識し、小分子により二つのヘアピン構造の二次構造が変化する時に生じる蛍光分子間の距離の変化をFRET効率の変化として観測した。また同時に、次に構造変化をnative PAGE上でのバンド変化としても観測した。
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