2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜トランジスタの界面ドープによるスピン物性探索
Project/Area Number |
24655163
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
藤川 安仁 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70312642)
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 有機半導体 |
Research Abstract |
ペンタセン薄膜電界効果トランジスタ(FET)作成過程における電極修飾効果を利用して、分子による電極の修飾が薄膜界面に対するドープ手法として応用するための研究を遂行した。前年度より引き続き、化学修飾を行った電極構造に対するペンタセン薄膜の成長過程を利用したデバイスに対するスピンドープの可能性に関する研究を行った。前年度までに光電子顕微鏡装置に対する電子線制御装置を使用したアップグレードを行い、金電極構造の観察に成功していたが、今年度においては金電極構造に対するペンタセン薄膜成長の検討を行った結果、真空外で作製する電極構造ではドープ材料となるフタロシアニン分子の吸着力が十分でなく、良質なデバイス構造を作製する事が困難である事が判明した。そのため、真空内にて作製可能な銀の島状構造について応用の可能性を検討し、今回整備した光電子顕微鏡にてその島状構造の観察を行う事に成功した。この表面上にペンタセン薄膜の成長を行い、その構造について光電子顕微鏡観察を進め、現在詳細に解析を行っている。さらに、基板となるシリコン表面に対して真空内で絶縁膜構造を作製するため、有機鎖状分子であるドデセンのシリコン表面に対する薄膜成長を行い、その局所構造を走査トンネル顕微鏡観察により解析した。その結果、500℃でのアニールによりSi(100)表面上に整列構造が作製出来る事が分かり、極薄絶縁膜としての利用に向けて研究を進めている。
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Research Products
(1 results)