2012 Fiscal Year Research-status Report
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24655178
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
平本 昌宏 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 教授 (20208854)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / pn制御 / ドーピング / 共蒸着膜 / モリブデン酸化物 / 3元蒸着 / 炭酸セシウム / フラーレン |
Research Abstract |
本研究の目的は、ドナー性とアクセプター不純物を同時にドープする、“クロスドーピング”のコンセプトを、有機薄膜太陽電池の共蒸着層に適用し、実質的にi(intrinsic)層として機能させ、アモルファスシリコン類似のpin接合を有機半導体において、完全コントロール下で作り上げ、高効率を得ることである。 研究代表者は、MoO3(アクセプター)、Ca(ドナー)ドーピングによってC60をp型化、n型化するpn制御に成功している。Caは非常に酸化しやすいため取り扱いが難しいため、本年度は、Caに代わるドナー性ドーパントの探索を行った。その結果、Cs2CO3が大気中に出しても酸化しない効果的なドナー性ドーパントであることを見いだした。 さらに、Ca2CO3とMoO3を用いて、C60単独膜にpnホモ接合を形成することに成功した。 今後、この成果にたって、C60膜のクロスドーピングを行う。そのためには、3元蒸着技術を用いて、C60にMoO3およびCa2CO3を同時にppmの精度でドーピングする必要があるため、今年度、3元蒸着技術と2つのドーパントを、ppm精度でドーピングする方法を、PCモニタリングを利用して確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クロスドーピング技術に要となる、空気に暴露しても劣化しないドーパントとして、ドナー性は炭酸セシウム(Cs2CO3)、アクセプター性は酸化モリブデン(MoO3)を見いだし、使用できる目処がついたため。また、クロスドーピング技術に必要不可欠な、3元蒸着技術とppm極微量蒸着技術の確立に目処がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)H24年度に開発した技術を用いて、C60へのクロスドーピング技術を確立する。 2)有機薄膜太陽電池の、典型的な共蒸着膜である、C60:フタロシアニン系(Pc)について、クロスドーピング技術を確立する。 3)作製したC60:Pcクロスドープ層を実質的なIntrinsic層として用いて、pinエネルギー構造を持つ、有機薄膜太陽電池の作製評価に進む。ドーピング濃度、クロスドープi層膜厚依存性等を解明し、クロスドープ層での光吸収、光キャリア生成能力を十分引き出し、効率10%を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(9 results)