2012 Fiscal Year Research-status Report
新規低分子ハイドロゲル化剤の開発と細胞培養基材への応用
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24655181
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 正浩 信州大学, 総合工学系研究科, 准教授 (30334915)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 細胞培養基材 / L-アミノ酸 / 超分子化学 / ナノファイバー |
Research Abstract |
平成24年度は、L-リシン、L-バリン、L-イソロイシン、L-フェニルアラニン、L-アラニンを基盤とした負電荷を持つ新規ハイドロゲル化剤の合成、培養液およびPBS緩衝溶液に対するゲル化能、ナノ構造の観測、ディッシュ上でのナノ繊維の形成、滅菌方法の確立、細胞培養基材としての有効性評価(表面培養およびゲル内培養を含む)について検討した。合成方法は、ほぼ確立されているが、合成溶媒の検討などにより、今まで以上に収率が向上することが見いだされた。ベタイン系の両性イオンを有するゲル化剤の合成法は、まだ完全に確立しておらず収率が50%程度ど低いものであった。これらの合成法の最適化は25年度の課題の一つとなった。また、合成したL-アミノ酸誘導体のゲル化能を調査したところ、非常に良いハイドロゲル化剤であることが分かった。加えて、一部の化合物は、水溶液だけでなく有機溶媒もゲル化できる両親媒性のゲル化剤であることも見出した。さらに、電子顕微鏡によるナノ構造の観察により、生体内の細胞外マトリックスに類似したナノ構造を有していることが分かった。一方で、細胞培養基材としての様々な検討を行った。まず、ディッシュ上でのゲルの作製方法、滅菌方法を重点的に調査した。その結果、ディッシュ基板上でのゲル作製の最低濃度条件がわかった。また、滅菌法はUVを使う方法あるいはエタノール滅菌ができることがわかった。最後に、マウスの線維芽細胞を使って細胞培養を試みたところ、十分に細胞培養基材として使用できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲル化剤の合成や同定、ゲルの特性調査は概ね順調に遂行されたが、両性イオンを持つ化合物の収率が比較的低いため、収率向上の必要性を感じた。また、細胞培養実験においても、詳細な検討はできなかったが、ゲルの作製方法や滅菌方法が確立でき、さらに細胞培養もうまくいくことが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、前年度に合成したゲル化剤を使って細胞培養実験をおもに行う予定である。特に、(1)顕微鏡による細胞形態観察、(2)細胞増殖率の測定、(3)ALP活性の測定、(4)石灰化評価について、Ca沈着量の測定、等について、ゲル化剤濃度やゲル化剤の種類などの影響について検討する。一方で、新規L-アミノ酸系ゲル化剤(L-バリン、L-イソロイシン、L-フェニルアラニン、L-アラニン)、ここでは、双頭型の新規低分子ゲル化剤の合成を試みる。さらに、複数のアミノ酸系ゲル化剤を混合したゲルを用いて有効性の評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、研究を遂行する。24年度研究資金の25年度繰り越し分を含めて、ゲル化剤の合成・同定、細胞培養試験、成果発表(国内学会、国際会議等)に係る旅費に研究費を使用する。H24年度は、ゲル化剤の合成や細胞培養基材としての特性評価等が主な研究になったので、研究資金の繰り越しとなった。H25年度は、細胞培養実験について詳細な検討や研究成果の公表を含め、各種学会で精力的に発表する予定である。
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Research Products
(5 results)