2013 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性結晶を用いた色素増感型太陽電池用電解質の開発
Project/Area Number |
24655182
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
守谷 誠 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (70452208)
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Keywords | 柔粘性結晶 / プラスティッククリスタル / イオン伝導 / 固体電解質 |
Research Abstract |
本研究では、色素増感型太陽電池向けの固体電解質としての応用を目的に、新規有機イオン柔粘性結晶の開発に取り組んだ。具体的には、環状スルホニルアミドアニオンを有する有機イオン柔粘性結晶の構造制御をカチオンとして利用した四級アンモニウムイオンのアルキル基上への官能基導入を通して行うことにより、有機イオン柔粘性結晶の構造と特性の相関に関して知見を得た。 研究はイオン伝導性の向上を主たる目的に据えて進めた。初年度はアンモニウムイオンの持つ窒素上のアルキル基へシアノ基などの官能基を導入することを検討し、複数種の新規有機イオン柔粘性結晶の開発するとともに、その構造と熱挙動を比較した。なお、この研究では、これまで明らかにされていたかった環状スルホニルアミドアニオンの結晶構造を確認することにも成功した。 最終年度には、カチオンの構造を多様化させ特性制御の手法を拡げることを目指し、これまで用いてきたモノカチオン性四級アンモニウムイオンを、ジアミンを出発原料としたジカチオン性アンモニウムイオンに置き換えた有機イオン柔粘性結晶の開発を行った。これはジカチオン性アンモニウムイオンを用いることにより、モノカチオン性化合物を用いた場合に比べてカチオンの構造を多様に変化させることが可能になるためである。ここでは主に、窒素上の末端アルキル基の鎖長や二つの窒素を架橋するアルキル基の鎖長を変化させ、得られた有機イオン化合物の熱挙動、イオン伝導性を評価した。さらにジカチオン性アンモニウムイオンへの官能基導入も検討した。モノカチオン種を用いた際には、カチオンへの官能基導入により融点が比較的低い領域に現れてしまうという問題があったが、ジカチオン種を用いた際は官能基導入後も融点の低下が抑制されたことから、材料設計の自由度を大きく向上させることに成功したといえる。
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Research Products
(4 results)