2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24655184
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 幹人 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292053)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 燃料電池 |
Research Abstract |
本研究は、イオン液体を電解液として、アルミニウムの酸化反応と塩素の還元反応を組み合わせた電池反応により、大きな出力の電池の開発を目指すものである。アルミニウム資源は、国内に十分に存在しているため、安定した電極材料の供給が考えられ、レアメタルを用いる電池における状況とは異なり、これからの安定したエネルギーデバイスとして期待できるものである。1年目の検討課題は、電解液としてイミダゾリウム系のイオン液体を用いて、アルミニウムと塩素電池を構成し、その電池起電力と電極形状について検討した。 実験装置は簡易ドラフトチャンバー内で組み立て、イオン液体の電解液が満たされている容器に、アノードとしてアルミニウム板、カソードとして円柱状の炭素材料の底部から塩素ガスを吹き込み電池を構成した。また電位の基準としてアルミニウム線を参照電極として用いた。 平成24年度の実験計画では、主にイミダゾリウム系のイオン液体を用いた。参照電極を用いた電池反応における分極測定を行ったところ、アノードの溶解反応には、大きな分極は生じず、カソードの塩素の還元反応に大きな抵抗が生じている事がわかった。したがってカソードの塩素の還元反応をより起こりやすくするような電極の形状が必要であると考え、円筒状の炭素電極と二段の円筒を組み合わせた電極により、出力特性を調べた。その結果、二段の円筒を組み合わせた電極の方が単位面積当たりの出力が大きくなる事がわかり、電極形状の最適化を次年度に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種のイオン液体電解液を検討する予定であったが、最初に試したイミダゾリウム系のイオン液体が、ある程度の性能を示すことが分かったため、他のイオン液体の検討はしていない。電池の評価については計画通り進んでおり、順調に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目においては、アノードの材料としてスクラップアルミニウムを想定したアルミニウム合金を用いて電池を構成して電池特性を調べる。 アルミニウム合金の候補としては、アルミニウム-マグネシウム合金(5000番系)、アルミニウム-シリコン合金(4000番系)、アルミニウム-亜鉛合金である。 アルミニウム-マグネシウム合金では、マグネシウムがアルミニウムよりも卑な金属であるため、電池起電力をより大きくする効果があるかを確認する。 アルミニウム-シリコン合金では、シリコンがアルミニウムに近い電位を示す元素であるため、アルミニウムの溶解反応にどのような効果があるかを調べる。 アルミニウム-亜鉛合金では、亜鉛がアルミニウムよりも若干貴であるが、比較的近い電位であるため、電位が近い金属の混入の効果が調べる事ができる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)