2012 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素の化学的固定を指向した二元機能単核メタレート触媒の開発
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24655187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 慶吾 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40451801)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ポリオキソメタレート / 二酸化炭素 / 触媒 / 塩基反応 |
Research Abstract |
本申請研究では、「ポリオキソメタレート触媒のアニオンサイズ当たりの負電荷を大きくすることによる塩基性度の向上」というコンセプトのもとに単核メタレート触媒を合成し、これら触媒による二酸化炭素や基質の単独あるいは同時活性化を利用した二酸化炭素の化学的固定を中心とした触媒反応系の開発を目的とする。本年度は、単核タングステート触媒が、常圧二酸化炭素を用いた1,2-フェニレンジアミンから2-ベンズイミダゾロンの合成に従来の無機・有機強塩基触媒(DBU, TMG, 炭酸セシウム, etc.)を遙かに凌駕する活性を示すことを見出した。芳香族ジアミンと二酸化炭素から環状尿素誘導体の量論・触媒的合成は達成されておらず、本系が初めての成功例である。また、種々の芳香族ジアミンに適用可能であり、広範な基質適応性を示した。NMRによる中間体の詳細な検討から、単核タングステートによる二酸化炭素と基質の同時活性化能を明らかとした。この特異的二元機能は種々の基質への反応に適用可能であり、1級の単純アミン、プロパルギルアルコール、2-アミノベンゾニトリルから尿素誘導体、環状カーボネート、キナゾリジオンへの効率的二酸化炭素固定化反応も可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
単核タングステートによる二酸化炭素と基質の同時活性化能を明らかとし、種々のアミン、プロパルギルアルコール、2-アミノベンゾニトリルによる常圧二酸化炭素を用いた化学的固定化反応に対して、従来の無機・有機強塩基触媒を遙かに凌駕する活性を示すことを見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
単核種を無機配位子とした他金属種との複合化や活性化困難な基質(アルカン、アルケン、アルキン、芳香族化合物中の不活性C-H結合など)について検討し、触媒反応系の拡張を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画変更で若干の残額が出たが、次年度の試薬購入等の物品費として使用していく予定である。
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Research Products
(4 results)