2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の化学的固定を指向した二元機能単核メタレート触媒の開発
Project/Area Number |
24655187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 慶吾 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40451801)
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Keywords | ポリオキソメタレート / 二酸化炭素 / 触媒 / 塩基反応 |
Research Abstract |
本申請研究では、「ポリオキソメタレート触媒のアニオンサイズ当たりの負電荷を大きくすることによる塩基性度の向上」というコンセプトのもとに単核メタレート触媒を合成し、これら触媒による二酸化炭素や基質の単独あるいは同時活性化を利用した二酸化炭素の化学的固定を中心とした触媒反応系の開発を目的とする。本年度は、単核タングステート触媒による常圧二酸化炭素の固定化反応における触媒効果、基質適用性について検討した。1,2-フェニレンジアミンから2-ベンズイミダゾロンの合成においては、単核タングステートのみ活性を示し、他の塩基性を示す二原子欠損型ゲルマノタングステートやイットリウム置換ポリオキソメタレートは活性を示さなかった。また、種々の芳香族ジアミンと二酸化炭素から対応する環状尿素誘導体の合成に成功したが、2-アミノフェノールと2-アミノベンゼンチオールから2-ベンゾオキサゾリノンや2(3H)-ベンゾチアゾロンの合成反応は進行しなかった。1級アミンと2級アミンと二酸化炭素の反応では、対称尿素誘導体が非対称尿素誘導体よりも優先して生成し、1級アミンと1級アルコールと二酸化炭素の反応では、対応する尿素誘導体がカルバメート誘導体よりも優先して生成した。プロパルギルアルコールから環状カーボネートへの反応だけでなく、2級プロパルギルアミンから環状カルバメートへの二酸化炭素固定化反応も可能であった。量子化学計算を用いた検討より、カルバミン酸中間体からイソシアネート中間体を生成するステップにおいて単核タングステートが重要な役割を果たしていることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)