2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24655192
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (00303876)
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Keywords | ダイヤモンド / 溶融塩 / 電解合成 |
Research Abstract |
従来のダイヤモンド合成は、高圧高温合成法または気相合成法のみであり、常圧液体からの合成例は知られていなかった。一方、炭酸イオンを含む溶融塩中において、炭素粉末や炭素膜、最近ではカーボンナノチューブなどが電析できることが知られていた。本研究は、これまで常圧の液相からは合成例のないダイヤモンドを、高温溶融塩中において常圧で電解合成することを目指し、以下の実験を行った。 1.LiCl-KCl系の電気化学測定 炭酸イオン濃度の低い系として、共晶組成LiCl-KCl(融点352℃)に炭酸カリウムを0.1-10 mol%添加した溶融塩を用いた。作用極にはニッケル板、単結晶シリコン板、グラッシーカーボン板、対極にはグラッシーカーボンロッド、参照極にはAg+/Ag電極を用いた。水素源として、水酸化カリウムを添加した。実験温度は400-600℃とした。まず、サイクリックボルタンメトリーにより、炭酸イオンと水酸化物イオンの還元挙動を明らかにした。その結果、炭酸イオンと水酸化物イオンの両者ともに還元される電位領域が存在することが分かった。 2.電析試料の分析 定電位もしくは定電流電解により電析試料を作成した。基板材料としては、ニッケル板、単結晶シリコン板、グラッシーカーボン板を用いた。顕微ラマン分光、SEM、EDX、XRD、XPS等を用い分析した。その結果、ダイヤモンドの合成は確認できなかったが、sp3結合の割合が高くなる条件を見出すことができた。さらに、電解条件を最適化する必要があると思われる。
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