2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン輸送混合導電体を利用した新規な低エネルギー消費型水素分離膜
Project/Area Number |
24655197
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (70163904)
|
Keywords | 水素 / 分離膜 / 混合導電体 |
Research Abstract |
本研究は、100℃以下で作動するプロトン導電体/電子導電体コンポジット膜による100%水素選択性を持った水素分離膜の開発とその学術基盤の確立を検討するものであり、その目的達成のために、(1)プロトン導電体と電子導電体からなるコンポジット混合導電体膜の作製、(2)水素解離・再結合触媒の探索と最適化、(3)作製した膜の水素透過能の評価について検討している。 コンポジット膜の作製においては、カーボンペーパーを導電体として用い、その空隙をプロトン導電体であるナフィオン分散溶液で充填した後にホットプレスすることで水素透過膜が得られることを明らかにしていが、カーボン電子導電相の種類により、水素透過性能が異なることが問題点であった。種々のカーボン素材を電子導電相とした検討した結果、素材としてはカーボンペーパーが最適であること、ナフィオンの充填空間であるメソポア容積が透過性能に大きく影響することを明らかにした。この結果は再現性ある透過膜作製、水素透過能のさらなる向上のための指針の提示の観点から極めて有用である。 水素解離・再結合触媒としてはPtが有効で、特にナフィオン分散溶液にPt/C触媒を混合後に膜表面に塗布する方法により性能が向上することを明らかにしていたが、Pt触媒の塗布方法の再現性に問題があった。種々検討した結果、濃度等を精密に制御したPt/CあるいはPt/C-ナフィオン分散溶液を用いてスクリーン印刷することで触媒層塗布の再現性が向上し、Pt触媒塗布量、塗布厚の最適条件を見いだした。 以上の、原理の検証、材料開発指針、新たな分離技術としての確立に不可欠な水素透過膜の作製技術の再現性が実現できたことは、挑戦的萌芽研究として実施した本研究のさらなる進展に重要な知見である。
|
Research Products
(1 results)