2014 Fiscal Year Annual Research Report
モノレイヤーナノドット:究極に薄く小さい無機ナノ材料の溶液合成と機能開拓
Project/Area Number |
24655199
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
緒明 佑哉 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90548405)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ材料 / モノレイヤー / ナノシート / 量子ドット / モノレイヤーナノドット / 表面修飾 / 疎水化 / インターカレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、究極に小さく薄いナノ材料であるモノレイヤー(単層)ナノドット物質群の創製と機能開拓を目指すものである。 1年度目は、層状化合物のナノ結晶を作製し、それを水系の溶剤に分散させてはく離を行うことでモノレイヤーナノドットの作製を行った。 2年度目は、モノレイヤーナノドットを、より安定的に大気中で取り出して扱うことや有機機能分子との複合化を目指す前段階として、非極性有機分散媒に分散可能なモノレイヤーの作製と機能開拓を達成した。 その上で、3年度目は、これらの成果をもとに、非極性有機分散媒に分散可能かつ有機分子を表面修飾したモノレイヤーナノドットの作製を行った。具体的には、横幅サイズが2~5 nm程度の層状化合物ナノ結晶を、表面修飾するための有機分子を溶解した有機溶剤中に分散させた。これにより、表面修飾と層状構造のはく離を同時に促すことで、表面修飾されたモノレイヤーナノドットの作製に成功した。透過型電子顕微鏡および原子間力顕微鏡観察により、横幅サイズが2~5 nm程度、厚さが2.5 nm前後の表面修飾されたモノレイヤーナノドットが有機分散媒中に形成していることがわかった。この厚さは、モノレイヤーに有機分子が表面修飾されたものとして妥当な値であった。得られたアルキルアミン修飾チタン酸モノレイヤーナノドットは、横幅サイズと厚さの減少と表面修飾の効果によって、チタン酸化物系で報告されている中では最も大きなバンドギャップエネルギーを示した。また、ジヒドロキシナフタレンを表面修飾することで、表面修飾された有機分子からチタン酸への光吸収が起こることが確認された。 これにより、バンドギャップの拡大による酸化準位の上昇と可視光吸収を両立させた光触媒材料としての応用が期待できる。 以上より、当初の目標通り、非極性有機分散媒に分散可能かつ有機分子を表面修飾したモノレイヤーナノドットの創製を達成した。
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