2013 Fiscal Year Research-status Report
両親媒性ハイブリッドオリゴマーの合成と自己組織化による階層構造化
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24655202
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松井 淳 山形大学, 理学部, 准教授 (50361184)
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Keywords | ハイブリッド材料 / アモルファス材料 / 光機能性 / センサー |
Research Abstract |
本年度は高耐熱性、高透明性を有するダブルデッカー型シルセスキオキサン(DDSQ)を基盤材料とした光電子機能性を有するハイブリッド材料の合成に関する研究を行った。異なる反応点を有するDDSQ-2HとDDSQ-4Hと光機能性分子としてビニル基を有するピレン誘導体1-((allyloxy)methyl)pyrene(PY)を白金触媒下でヒドロシリル化反応させることでDDSQ-2Py、DDSQ-4Pyの合成を行った。ピレン基濃度10-6 Mの希薄条件において、DDSQ-2Pyはモノマー発光を示すのに対してDDSQ-4Pyはモノマー発光と強いエキシマー発光を示すことがわかった。これは、DDSQ-2PyではDDSQコアによってPy間が離れているのに対し、DDSQ-4Pyでは同一面内で分子内エキシマーが形成できるためである。続いてスピンコート法を用いてDDSQ-2PyおよびDDSQ-4Pyの薄膜を作製した。XRD測定の結果、薄膜は結晶構造に由来する鋭いピークを示さずアモルファス状態であり、そのガラス転移温度は40℃であった。またAFM観察より、RMS値が1 nm以下の均一な膜を形成していることがわかった。この薄膜は、ピレンエキシマーからの強い発光のみを示した(ΦDDSQ-2Py=50 %, ΦDDSQ-4Py=39 %)。これは、薄膜内でピレン分子がスタックしているためであると考える。この薄膜の発光は酸素によってほとんど消光されず、これはピレン間のπ-πスタックによって密な膜を形成しているためであると考えられる。一方、薄膜の発光は温度によって大きく消光されるため、強い発光性を利用した温度センサーなどの応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究当初では両親媒性による自己組織化を念頭に研究を行っていたが、光機能性も念頭に置いた結果、アモルファスかつ高発光性のハイブリッド材料を構築することが出来た。ダブルデッカー型シルセスキオキサンを基盤としたあらたな光機能材料の学理が創製できると考えられ、当初計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ダブルデッカー型シルセスキオキサンを基盤とすることで高発光性のアモルファスフィルムを構築することができた。これより、光機能性だけでなく、電子機能性など様々な機能団を導入することで新たなアモルファス材料の合成してく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
光機能性ハイブリッド材料を合成したところ、アモルファスかつ高発光、高密度薄膜の作製を見いだしたため、その他の機能性分子を導入することで、アモルファス機能材料の創世を行うため。 光機能分子だけでなく、電子機能性分子の導入を試みる。そのために電子機能性を有するビニル誘導体を合成し、DDSQとのヒドロシリル化反応によりDDSQに導入する。合成した化合物の電子特性をサイクリックボルタンメトリー測定やI-V測定を行うことでその電子機能を明らかにする。
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[Journal Article] Helicity-Selective Photoreaction of Single-Walled Carbon Nanotubes with Organosulfur Compounds in the Presence of Oxygen2013
Author(s)
Maeda, Y.; Higo, J.; Amagai, Y.; Matsui, J.; Ohkubo, K.; Yoshigoe, Y.; Hashimoto, M.; Eguchi, K.; Yamada, M.; Hasegawa, T.; Sato, Y.; Zhou, J.; Lu, J.; Miyashita, T.; Fukuzumi, S.; Murakami, T.; Tohji, K.; Nagase, S.; Akasaka, T
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 135
Pages: 6356-6362
DOI
Peer Reviewed
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