2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24655208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70203594)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | モノリス / ポリカーボネート / 相分離 / 多孔質体 / 微生物産生ポリエステル / ポリアミン / キレート |
Research Abstract |
今年度はビスフェノールA型ポリカーボネート(PC)を三次元の連通孔構造を有する耐熱性モノリスのターゲットに設定し、貧溶媒誘起相分離法(NIPS)により作製を検討した。クロロホルムを良溶媒に、シクロヘキサンを貧溶媒に用いる相分離条件を構築することで、均一なモノリスの作製条件を明らかにした。このモノリスは高い比表面積を有し、モルフォロジーはモノリスの作製パラメーターにより制御した。また、ポリマー濃度、分子量、貧溶媒を増やすことで、また、静置温度を低くすることで孔径と骨格径が小さくなることを見出した。DSCの分析結果から相分離時に結晶化が誘起され、耐熱性に優れたモノリスが形成したことがわかった。次にPCと微生物産生ポリエステル(3-ヒドロキシブタン酸と3-ヒドロキシヘキサン酸の共重合体 (PHBH))のブレンドモノリスの合成をNIPS法により調べた。通常、ポリマー種により相分離条件が異なるためにブレンドモノリスの作製は困難であるが、共通する適切な相分離条件を見出すことで興味深いブレンドモノリスを得た。DSC分析からPCとPHBHは相溶せず、お互いに良く分散していることを明らかにした。また、このブレンドモノリスを分岐ポリエチレンイミンで修飾することでモノリス表面にポリアミン鎖を導入した。このポリアミン鎖を利用することで、このモノリスは高効率に重金属を捕捉した。銅イオンを最も効果的に捕捉し、ニッケルイオンやコバルトイオンにも高い親和性を示すことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に研究計画通りにポリカーボネートモノリスの作製を達成し、更にブレンドモノリスの作製に展開した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って、ポリカーボネートモノリスに関する研究を更に深め、他のエンジニアリングプラスチックのモノリス化に研究を展開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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