2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656017
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
長屋 智之 大分大学, 工学部, 教授 (00228058)
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Keywords | 物性基礎 / 液晶 / パターン形成 |
Research Abstract |
光導電体結晶を用いて液晶セルを作成し,液晶電気対流を局所的に誘起させ対流の一部を外部に取り出す方法を確立する事と,局所的な対流の振動の外場同期,複数の局所対流の同期現象を解析する目的で研究を続けている。最も重要なことが光導電体を使って局所対流を作れるようにすることであるが,前年度の研究で光導電体表面にスパッタリング法で形成する透明電極膜の厚さが不均一である問題があった。そこで,磁性流体を用いた回転子を作成し,真空中で試料を回転しながら透明電極のスパッタリングを行ったところ,均一な透明電極膜の面積は広がった。しかし,回転機構の有無に関わらず,スパッタガスの不安定化によって放電痕が結晶表面に生じるため,恒常的に品質の良い透明電極が形成できないという問題が残っている。 レーザー光を局所的に光導電体に照射するために,液晶空間変調器を用いた実験システムを構築しようとしたが,液晶空間変調器の納入が遅れたため,現時点ではその実験システムが完成していない。液晶空間光変調器の納入を待つ間に,パターン電極を使って局所的な液晶電気対流を誘起する実験を試みた。高精細な白黒フィルム状に100ミクロン程度の幅のパターン電極をフォトリソグラフィ法を使って形成し,局所対流の振動を誘起できることを確認した。また,二つの隣接する局所的な液晶電気対流を作成し,両者が相互に影響し合っていることを確認した。また,局所的液晶対流の電場による同期を観測する際には,低周波交流の振幅を正弦的に変調する必要がある。そこで,この実験制御ソフトウェアの作成と,変調を行うための電子回路の製作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
品質の良い光導電体を使った液晶セルを作成する技術が十分でないため。液晶空間光変調器を用いた光の局所照射システムの完成が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き高品質な光導電体を使った液晶セルを作成する技術を確立することを目指す。また,仮にこれが難しい場合は代替としてパターン電極を用いて目的の実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
助成金に余剰が生じたのは,購入計画の液晶空間光変調器と同等な性能&信頼性をもちかつ安価なものを購入したためである。 この余剰金は,次年度の研究において実験で使用する光学部品の購入代金にあてる予定である。
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