2014 Fiscal Year Annual Research Report
反応性自己組織化膜と物理蒸着の組合せによる無機/高分子シームレス界面形成
Project/Area Number |
24656030
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 博明 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60176667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / 複合材料・物性 / 自己組織化 / 電子・電気材料 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機エレクトロニクスデバイスは、有機薄膜と無機表面に共有結合が存在しないため様々な課題を持つ。本研究では、末端に反応性官能基を持つ自己組織化膜(SAM)を無機材料表面に形成し、引き続きモノマー材料を蒸着することによって、無機と有機がシームレスに融合する界面を持つ高分子薄膜を形成した。 まず酸化インジウムスズ表面に、ベンゾフェノン、アゾ基、エポキシ基、ビニル基などの末端官能基を持つSAMを作製し、その表面に正孔輸送性材料であるテトラフェニルジアミノビフェニルのジビニル誘導体を蒸着した後、加熱によってSAMと蒸着膜を反応させた。その結果、膜の基板への付着強度に顕著な増大が見られ、有機溶媒に不溶かつ剥離しないシームレスな界面を持つ高分子膜が得られた。これを用いて正孔輸送型デバイスを構築し、界面の電気的特性を評価した結果、反応性SAMの導入による電荷注入の促進が観察された。IV特性から電荷再結合中心やトラップの減少が示唆され、シームレス界面によって電気的欠陥の少ない接合を実現できると考えられる。 次に新たな展開として、シームレス界面の概念を溶液プロセスに拡張することを試みた。反応性末端を持つSAMの表面に正孔輸送性高分子であるフルオレン-フェノキサジン共重合体をスピンコートし、SAMを介してシームレス界面を形成した後、発光層、電子輸送層及び陰極を蒸着して有機発光素子(EL)を作製した。SAM分子構造のモデル計算と併せて解析した結果、EL素子の発光効率は、SAM分子の双極子、HOMO準位、分子長などでも変化するが、界面をシームレスに結合させることにより、これらの効果を大きく上回る改善効果が得られることが示された。 以上の結果より、反応性末端を持つSAMを介して無機/高分子界面をシームレスに結合でき、付着強度のみならず、デバイス特性にも顕著な改善が得られることが明らかとなった。
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[Book] 有機誘電体・導電性電気電子材料研究の最前線とアジア諸国との交流2015
Author(s)
岩本光正, 小野田光宣, 間中孝彰, 伊東栄次, 臼井博明, 大澤利幸, 奥崎秀典, 梶井博武, 鎌田俊英, 工藤一浩, 杉村明彦, 馬場暁, 山田俊樹
Total Pages
89 (20-22)
Publisher
電気学会
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