2013 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノ粒子触媒の膨張する界面の活性メカニズムの解明
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24656031
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 崇之 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助教 (10367120)
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Keywords | ナノ粒子触媒 / 表面界面物理学 / 触媒環境科学 / 透過電子顕微鏡 / 電子エネルギー損失分広報 / カソードルミネッセンス法 / 余剰電子 |
Research Abstract |
チタニア(TiO2)基板に担持された直径4nm以下の金ナノ粒子におけるAu/TiO2界面において触媒の活性機構を解明するため、吸着分子の反応過程や余剰電子の供給源について、透過電子顕微鏡による高分解能観察やガス環境その場観察によって研究した。余剰電子の供給源とされる格子間チタンを直接観察して、Au/TiO2の界面周縁部(perimeter)に格子間チタンイオンが集まっていることを明らかにした。この結果は、酸素ガスが導入されたときにAu/TiO2の界面周縁に集合した格子間チタンが反応して、AuとTiO2の界面にTiとOの異相界面(Ti1-xO2, x>0)が成長するという報告を良く説明できる。さらに、EELS計測では成長した異相界面の酸素がOy-イオン(y < 1.5)となっていることが示されたので、酸素ガスで被爆されたAu/TiO2周縁にはO2-イオン(y=0.5)が生成されるというシナリオとも整合する。CO酸化触媒であるAu/TiO2をO2ガスに被爆させたときには異相界面が形成され、COガスに被爆させたときにはAu粒子を覆う2分子層ほどの被膜がつくられることを“その場”観察した。これらのCO, O2, CO+O2吸着によってTiO2結晶のギャップ近くに起こる状態変化をカソードルミネッセンス(CL) 分光で調べた。CO導入前後では変化が殆どない。O2やCO+O2導入では、350nmと385nm付近に新しいCLピークが現れる。これらの発光はTiO2のギャップエネルギー(3.0eV)よりも高いエネルギーをもつので、伝導帯内部の共鳴状態(O2-)から価電子帯(VB)上端への電子遷移と考えられる。本研究結果をまとめると、“その場”観察と“その場”CL分光はAu/TiO2周縁に形成される異相界面で共鳴電子状態O2-を形成し、CO酸化反応を促進すると考えられる。
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Research Products
(13 results)