2012 Fiscal Year Research-status Report
プラズモン導波路を用いる光配線用超小型光検出器の研究
Project/Area Number |
24656046
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 滋久 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 教授 (30151137)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | プラズモニクス / 光配線 / 半導体受光器 |
Research Abstract |
従来の化合物半導体をベースとした導波路型光通信デバイスに、金属ナノ構造を利用したプラズモニクスの概念を融合することによって、高速性と微細性を兼ね備えるオンチップ光配線へ向けた導波路型ナノスケールフォトディテクタの実現を目指す。プラズモンを用いた導波路型受光素子における感度と高速性は、光配線時の「消費電力」と「動作速度」を律速する要因になっており、これらの性能を上げることが必要不可欠である。 開発予定の素子は「通常のハイメサ導波路」「受光器への接続導波路(側面金属層を有するテーパーと細線導波路)」「導波路型ナノスケールフォトディテクタ」の3領域から構成される。本素子において、受光器直前の接続導波路における伝搬損失および高速伝送特性は、そのままデバイスの感度・高速性を律速する可能性がある。 そこで本研究では、側面金属層を有するテーパー導波路と細線導波路の特性評価に焦点を当て、構造作製・評価を行った。素子性能を向上させるためには、吸収係数の大きな金属層への漏れをできるだけ減らし、コア層への光閉じ込めを大きくする必要がある。実験の結果、導波路幅約500nm、SiO2膜厚約100nmの素子において、伝搬損失0.25 dB/μmを実現した。この伝搬損失は業界最大手であるシンガポールのA*starが出している値とほぼ同じとなっており短距離光配線では十分な値であるといえる。また、同一断面構造で曲げ損失の測定も行っており、曲率半径20μmのS字導波路に対する伝搬特性から、曲げ損は5.8dB/bendと求められた。 これらの動作特性評価を踏まえ、今後は、再成長によるButt-Jointによって「通常のハイメサ導波路」「受光器への接続導波路(側面金属層を有するテーパーと細線導波路)」「導波路型ナノスケールフォトディテクタ」を接続し、ナノスケールフォトディテクタの実現を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に導波路幅約500nm、SiO2膜厚約100nmのプラズモン導波路において、伝搬損失0.25 dB/μmを実現に成功しており、今後、再成長によるButt-Jointによってモノリシックに各種プラズモン素子を集積することが可能となる。最終的には、オンチップ光配線の要求を総合的に満たすデバイス開発への展開が期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
受光器前段の接続導波路の作製・評価、再成長によるモノリシック集積技術などが確立された後、研究目標であるナノスケール受光素子の開発に移る。まず、FDTDによる理論解析により受光素子内における伝搬光の吸収特性を計算、それに基づいた素子設計を行う。 最終的な素子を作製後、10-40G高速信号伝送実験を行い、本素子が高速域で動作することを確認すると同時に、感度についても併せて議論する。なお、同一基板上に通常のInP系ハイメサ導波路をベースとする通常サイズの受光器を用意し、本デバイスとの比較も行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
|
Research Products
(21 results)