2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモン導波路を用いる光配線用超小型光検出器の研究
Project/Area Number |
24656046
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 滋久 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 教授 (30151137)
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Keywords | プラズモニクス / 光配線 / 半導体受光器 / 変調器 |
Research Abstract |
従来の化合物半導体をベースとした光集積回路に、金属ナノ構造を利用したプラズモニクスの概念を融合することによって、高速性と微細性を兼ね備えるオンチップ光配線へ向けたプラズモン集積素子の実現を目指す。これにより、本研究ではプラズモンを用いた導波路型受光素子と変調素子についての研究を行った。 開発予定の素子は「プラズモン集積回路への接続導波路」「導波路型ナノスケールプラズモン変調器」「導波路型ナノスケールフォトディテクタ」の3領域から構成される。初年度の段階で、プラズモン集積回路への接続導波路の特性を解析・測定することで、接続導波路はプラズモン集積回路における各種デバイスの特性を律速する要因にはならないことを評価した。 次に当該年度の研究として、プラズモン集積回路側の素子である受光器と変調器の設計を行った。素子構造としては、コア層の両側にサイドエッチを入れたハイメサ導波路を、ITO薄膜(変調部のみに存在)およびAl2O3薄膜を介して金属(Ti/Au)で挟むことで、ギャッププラズモン(Gap Plasmon Polariton: GPP)モードが励振されるようにした。GPPによりコア層およびITO薄膜層に効率的な光閉じ込めを実現でき、これにより各種素子性能を上げることが可能となる。 半導体デバイスシミュレータ(TCAD)によるキャリア解析および有限要素法を用いたモード解析によって素子特性を計算した結果、受光器については、必要素子長(20 dBの吸収必要長)が2 μm程度で済むことが分かり、変調器については、ITOキャリア濃度による1.55 μm帯における複素屈折率の大幅な変化を利用することで、バイアス印加時に4.5 dB/μmの変調効率を得られることが示された。また、無バイアス時の損失は1.5 dB/μmという値を示しており、性能指数としては世界の他のプラズモン変調器に比べて2-3倍程度良い値を示している。
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Research Products
(15 results)