2013 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ直描テーラーメードクラッド形状を有した導波路型可視域レーザ
Project/Area Number |
24656055
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40204804)
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Keywords | レーザー描画導波路 / 導波路レーザー / 可視域レーザー / フェムト秒レーザー加工 / 時空間集光 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーの多光子吸収により透明バルク材料内部に屈折率変化を誘起し光導波路とする先行研究はあるが、屈折率変化の不均一性からコアとして利用すると伝播ロスが無視できず導波路レーザーへの応用には適さない。そこで、フッ化ガラスはレーザー照射条件によっては負の誘起屈折率変化が起きることを利用したクラッド書き込み実験を行った。用いたレーザーはkHz動作のフェムト秒レーザーである。繰り返し照射による熱の蓄積が無視できる条件になる。屈折率変化は閾値以上のパルスエネルギーであればほぼ一定の変化になる。 昨年度に構築した時空間集光光学系と屈折率変化計測用の干渉測定光学系を用いてレーザー照射条件の決定を行った。時空間集光法は、一般的空間集光系に比べて、深さ方向の集光に関する閉じ込め効果が明らかに優れることがわかり、深さ方向に20 μm以下の加工分解能を実現できた。また屈折率変化も干渉画像計測によって鮮明に観測することに成功した。旋状痕を書き込める自動ステージを構築し、直径25 μmのコアになるよう10 μmピッチで毎秒1 mmの速度でクラッドを書き込んでレーザー導波路作製した。HeNeレーザーで計測した導波路損失は0.56dB/mであり、明確な導波が実現できることを確かめた。導波路製作システムは完成したが、課題として残ったのは、誘起屈折率変化が予想よりもかなり低いため、導波路NAが0.015と低く、半導体レーザーによる励起が難しい点である。 一方、レーザーによる屈折率変化を用いたBragg回折鏡をPr:ZBLANファイバに書き込む実験を行い、フェムト秒レーザー描画によるコアへの周期構造書き込みが機能することを確かめた。
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