2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656057
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
倉辻 比呂志 立命館大学, 理工学部, 教授 (30178090)
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Keywords | 偏光 / 非線型 / カイラル / ストークス変数 / ゲージ場 |
Research Abstract |
1:偏光の場がゲージ場としての変形の場と結合した場合のラグランジアンの分析を解析的側面から行った。ここでゲージ場はアーベル場(すなわち電磁場との類似)である。偏光の場をスピノル場とみて角度変数の表示を用いることにより、それが弾性場と同じ形に表現されることが要になる。これによってラグランジアンは「曲げ(bending)」と「捻れ(twisting)」の2つの項で表わされる。ここで後者は、もともとのゲージ場を吸収し一般化されたゲージ場によって表される。これによって、ラグランジアンはストークス変数を用いることによって、さらに物理的構造がいっそう明確になることがわかった。とくに一般化されたゲージ場がゼロになる場合、ストークス変数の場に対する非線形シグマ模型に帰着される。異方性超流体との類似から、この模型は、Mermin-Ho 型位相不変量で特徴ずけられることがわかった。以上の結果は、現在論文を準備中である。 2:うえのゲージ場のアイデアの発展として、カイラル媒質中の偏光伝搬に対する理論が構成された。ここで、ゲージ場は、液晶あるいは生体物質に特有の「カイラル場」がその役割をする。カイラル場は、偏光に起因する「捻れ」と自然に統合される。これによって、偏光の場に内在する「捻れ」の概念に対する物理的な意味がはじめてあきらかにされた。さらに、水素結合に起因するベクトルゲージ場と偏光が結合する場合も考察された。この結果は以下の表題で現在 physical review A に投稿中である:「Evolution of polarized light in chiral media: Gauge theoretic approach」。なお、速報の形で、立命館大学理工学研究所紀要に発表された。
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Research Products
(1 results)