2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 賢二郎 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (40282678)
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Keywords | 計算力学 / 六方晶金属 / 機械材料・材料力学 / 有限要素法 |
Research Abstract |
前年度に開発した六方晶金属に対する変形双晶・結晶塑性FEMプログラムについて、予測精度および計算効率の改良を行った。そして、単結晶および多結晶体の変形双晶発現に関する理論および実験の再現性能を確認するとともに、多結晶モデル内での変形双晶の発現箇所や格子回転後の方位情報を実験結果と比較し、モデルの妥当性を検証した。具体的には、変形双晶・結晶塑性FEMを開発し、実験データ(文献値)を用いたキャリブレーションにより変形双晶モデルの材料パラメータを同定し、単結晶および多結晶体に対する解析を通して、提案した変形双晶モデルが理論および実験的知見を再現できることを実証した。例として、多結晶体に負荷‐除荷‐再負荷の順に負荷を与える解析を行ったところ、実験でも観測される巨視的応力‐ひずみ曲線のヒステリシスカーブ、ならびに多結晶体内での局所的な応力緩和挙動を再現できた。そして、実際の実験で用いられた多結晶構造を模擬したモデルに対して本解析手法を適用し、予測した変形双晶の発現箇所や格子回転後の方位情報が実験結果と一致することを例証した。 また、イットリウム添加の効果の一つとして考えられる、錘面すべりの初期CRSSおよび硬化パラメータを変化させるケーススタディを行い、材料パラメータと錐面すべり系のすべり量やひずみ勾配、および応力分布等の変化との相関を調査することで、錘面すべり量を増加させる主な要因がCRSSの飽和値の低下であると結論づけた。さらに、今後実施予定の巨視的延性・強度に対する動的再結晶の影響評価のパイロット研究として、錐面すべりが卓越した領域の結晶方位を人為的に変化させる解析を行い、方位変化後の応力、弾性エネルギー、すべり量等が比較的大きく変化することを確認した。
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