2014 Fiscal Year Annual Research Report
都市域における道路騒音評価のためのバーチャルリアリティシステムの開発
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24656074
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 卓史 日本大学, 理工学部, 教授 (50126281)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | .バーチャルリアリティ / 道路騒音 / 可聴化 / 可視化 / 幾何音響理論 / 波動音響理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、都市域における音環境問題として道路交通騒音(主に車両の走行音)に着目して、道路やその周辺の構造物の新設・改変に起因する音環境の事前評価・事後分析等に供しうる騒音評価システムの開発を目的とするものである。最終年にあたる平成26年度は、下記の4つの研究項目について実施した。 1.幾何音響理論に基づく騒音シミュレーション手法の改良:前年度までに開発した幾何音響理論に基づくシミュレーション手法は騒音予測モデルASJ2008(日本音響学会)に基づいていたが、これを新たな予測モデルであるASJ2013に準拠するものに変更した。 2.波動音響理論に基づく騒音シミュレーション手法の改良:前年度までにCIP法および境界要素法に基づく手法の構築を行った。本年度は、CIP法に基づく手法においては、計算結果を用いた可聴化を行うためインパルス応答解析手法の導入を行った。また、境界要素法に基づく手法においては、大規模解析が可能となるように多重極法に基づく手法の導入を行うとともに、その結果に基づく可聴化についても試みた。両手法による結果は、定量的に良い結果を与えることを示した。 3.バーチャルリアリティ空間における可視化・可聴化システムの改良:前年度までに開発した可視化・可聴化システムは、単純化した道路環境のみに適用可能であった。本研究では、可視化において市販の3次元都市空間データの利用を可能とすることにより、複雑な道路環境への適用を可能とした。 4.本システムを用いた騒音の心理的影響評価:騒音とストレスとの因果関係を調べるために、本システムを没入型バーチャルリアリティ装置に実装した。そして、システム利用者(被験者)の心理的変化の計測を脳血流計および脳波計を用いて行った。その結果、聴覚情報に加えて、視覚情報が付加されることにより被験者はより大きいストレスを感じることが明らかとなった。
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Research Products
(14 results)