2013 Fiscal Year Annual Research Report
顕微ラマン分光を用いたMEMS共振構造体の時間分解局所応力測定
Project/Area Number |
24656087
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土屋 智由 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60378792)
|
Keywords | 時間分解応力測定 / 顕微ラマン分光 / 共振子 / マイクロマシン / シリコン / 光チョッパ / 静電アクチュエータ |
Research Abstract |
本研究では顕微ラマン分光装置の光源を振動子の振動に同期させることで、ラマンスペクトルの時間分解測定を実現し、シリコンマイクロ構造体の局所動的応力評価を実現する。既設の顕微ラマン分光装置のArガスレーザの入射光路の途中にMEMS アクチュエータを設置する。これは静電力駆動のチョッパとして機能する。 まず、デバイス仕様を検討し、静電駆動方式のチョッパを設計した。レーザ光の透過を考慮して、ガラスウエハにシリコン層を有する(Silicon on Glass; SOG)ウエハを用いたデバイスを想定した。設計途上で応答速度を数マイクロ秒とすることが困難であると予想されたため,対象とするSi振動子を面外振動するSi振動子とし,その共振周波数を数kHzと設定した。 初期試作では、アルミ蒸着層を利用したセルフアラインプロセスのチョッパを製作し、デバイスを既設の顕微ラマン分光装置に設置し、デバイスの駆動確認、振動(応答)特性を評価し、光チョッパとしての性能を確認した。ON時の応答速度は数十μ秒であり,数kHzの振動子に対しては十分であることが確認できた.しかしながら,OFF時の応答速度は1m秒程度であった.これは,減衰振動によるものであると判断している. これに基づいて,両側駆動のMEMSチョッパを設計し,また,アルミ膜のスリットをガラス基板に形成してから,シリコン層と陽極接合してデバイス構造を作製する新たなプロセスを提案して試作した.共振振動するシリコン振動子に対する測定を行ったところ,わずかなシフトを観察することができたが,応力を定量的に評価できる程度の変化はまだ得られていない.今後測定系の改良を進めていく.
|
Research Products
(2 results)