2013 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光ナノプローブを用いた微量サンプルの超精密粘度計測技術の開発
Project/Area Number |
24656088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 照剛 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 裕浩 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70243178)
道畑 正岐 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70588855)
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Keywords | 蛍光偏光法 / ブラウン運動 / 粘性計測 / 回転拡散係数 / 偏光解消 |
Research Abstract |
本研究では,微量サンプルの粘性を高速かつ高精度に計測する技術を新たに提案している.提案する技術では,蛍光分子(直径1nm)を粘性計測のプローブとし,蛍光分子の回転ブラウン運動による分子拡散時間が粘性によって変化することを利用して,液体の粘性を計測する.粘性計測は,信号が励起されてから10ns以内の時間で減衰する蛍光信号の,偏光解消を解析することによって行われ,微量蛍光プローブからの微弱な信号を増幅して計測する技術が確立すれば,マイクロリットル単位の微量サンプルに対する粘性計測が可能となる.また,微量サンプルの測定では,粘性の測定時に計測の不確かさの原因となるサンプルの温度の制御が高速かつ高精度に行える利点があり,粘性の測定精度の向上が見込まれる. 本研究の遂行によって,粘性計測に用いる蛍光プローブの回転拡散係数を高精度に計測する装置の開発を行い,様々な粘性のサンプルについて,回転拡散係数の計測特性を評価している.本研究の遂行によって得られた成果として,粘性計測を行うプローブの構造を調整することにより,水のような低粘性のサンプルから,高粘性の溶媒にいたるまで,様々な測定レンジにおいて,回転拡散係数の高精度計測が可能であることが確認された. 本研究で得られた知見に基づき,粘性計測の基礎データを取得すれば,開発した装置によって,微量サンプルの高精度粘性計測が可能となることが,実験的に示されており,提案手法の有効性が検証された.
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