2012 Fiscal Year Research-status Report
バイオオプティクス形状計測のための静電気力遠接場ナノスコープに関する研究
Project/Area Number |
24656093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高 偉 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70270816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70606384)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 計測 / 微細形状 / プローブ顕微鏡 / 静電気力 / 絶対距離 / 微空間 / ナノメートル / 金型 |
Research Abstract |
本研究は電荷を蓄えられるプローブ探針を用いて,大気中の水分が試料表面に凝着することで生成されるナノスケール厚さの水膜などから発生する静電気力遠接場を高速・高感度に可視化することで探針・試料表面間の微空間絶対遠接距離を自律的に計測する手法を提案し,高アスペクト比で複雑な構造を持つマイクロバイオオプティクスの微細形状を表面の物性値に影響されずに安定して完全非接触に高精度計測可能である,画期的な静電気力遠接場(Electrostatic force far field: EF3)走査プローブ顕微鏡(EF3ナノスコープ)の実現に挑戦することを研究の目的としている. 本年度は微空間遠接場絶対距離自律的計測原理の理論確立と基礎実験を中心に研究を進めた.まず,微弱静電気力検出用プローブの製作を行い.探針・試料面間の微弱な電位差により生じる静電気力をFM信号へ高感度に変換できる水晶振動子と,静電気力の受け手となる自作の電解研磨タングステン探針とを組み合わせてプローブを製作した.このプローブと振幅変調回路とを用いてシステムを構築し,静電気力の微空間絶対遠接場距離特性を記録する.記録された結果をもとにシミュレーションを行い,提案の絶対距離算出原理 の有効性を検証した.また,微空間遠接場絶対距離自律的計測システムの構築を行い,プローブの検出信号を増幅するための前段アンプ,及び静電気力検出用プローブを高さ方向に往復駆動するための小型PZTからなる微空間絶対遠接場距離計測ヘッドを作製し,FM信号を電圧信号へ高速復調するための回路システムを構築し,距離計測ヘッドと統合させることで微空間絶対遠接場距離計測・演算システムの製作を行った.製作した計測システムによって,マイクロオプティクス金型の計測を行った.その結果,提案のシステムは100nmの範囲でサブnmの絶対距離測定ができることを確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は 1)微空間遠接場絶対距離自律的計測原理の理論確立と基礎実験 2)微空間遠接場絶対距離自律的計測システムの構築 という当初計画を遂行したほか,計測原理の理論解析および絶縁体測定への試みを追加実施し,当初の計画以上に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,当初計画した 1)バイアス電圧式EF3ナノスコープの開発 2)形状測定実験 を遂行するほか,高アスペクト比金型の計測を追加して実施する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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Research Products
(6 results)