2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属基板表面への再帰性反射素子形成に向けた新規ビーム整形法の開発
Project/Area Number |
24656095
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山崎 和彦 茨城大学, 工学部, 准教授 (30436240)
|
Keywords | ナノ・マイクロ加工 / ビーム整形 / 短パルスレーザ |
Research Abstract |
加工部位周辺に熱影響が少ない短パルスレーザ光を用いた金属基板表面のレーザ微細加工技術として、円形ビームを三角形に整形するビーム整形法を提案する。短パルスNd:YAGレーザ(波長1064 nm、パルス幅~60 ps、繰返し周波数1 kHz)をビーム整形光学系に導入したところ、2枚目のレンズ透過後の3光束が交差する位置において三角形状のビームが得られた。整形後のビーム強度は3光束で補間されて平坦化したが、ビーム端や中心の強度が比較的高くなった。 表面研磨したオーステナイト系ステンレス基板(SUS316L、厚さ1 mm)に、整形後のビーム(3光束のエネルギー約19μJ、60,000パルス)を照射したところ、3光束の干渉によって1辺約90μmの三角形や、直径約74μmの円形の領域に、周期約2.5μmの2次元周期構造物が形成された。 一方、対物レンズ(倍率10倍、開口数0.26)を用いた単一ビームによる微細加工において、照射エネルギー2μJ、走査速度300μm/sで、アルゴンガス(圧力0.1 MPa)を吹き付けながらステンレス基板に集光照射したところ、基板表面に再付着する加工デブリが減少し、幅約4μm、深さ約0.7μmの溝が形成した。 このように、提案したビーム整形光学系を用いて三角形状のビーム整形効果を確認した。しかしながらビームプロファイルが均一でなく、3光束の干渉によって2次元周期構造物が形成された。干渉を抑制するための位相制御板の調整機構の導入やレーザ加工部位からの反射特性の評価などが課題として残ったが、短パルスレーザ光による微細加工技術としての発展性を示した。
|